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ファミリーマート3月社長交代、その後を読む

コンビニの現在地

伊藤忠出身の細見氏が新社長に

 新年早々、コンビニエンスストア(CVS)業界にビッグニュースが飛び込んできた。1月13日に、ファミリーマート(東京都/澤田貴司社長)が社長交代を発表したのだ。

 3月1日付で現社長の澤田貴司氏が代表権を持つ副会長となり、伊藤忠商事執行役員の細見研介氏が代表取締役社長に就任する。伊藤忠商事による実質的な完全子会社化に続いての社長交代と、矢継ぎ早の体制変更で苦境からの立て直しを図れるかに注目が集まっている。

 「伊藤忠によるファミリーマートへの“入植”が始まった」──。

 ファミリーマート社長交代の一報に接し、業界の一部ではこのような声が上がるなど厳しい視線が注がれている。なぜだろうか。その理由の1つが、CVSにとって重要な指標である平均日販が、「規模が拡大しているにもかかわらず、一向に改善されていない」(CVS関係者)という点だ。

ファミリーマートは2021年1月13日、同3月より伊藤忠商事の細見研介氏が新社長に就任する人事を発表した

 2020年度上半期時点における平均日販は、セブン‐イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン‐イレブン)が64万1000円と独走状態で、ファミリーマートが48万8000円、ローソン(東京都/竹増貞信社長)が48万5000円と続く。コロナ禍以前の比較では、セブン‐イレブンは2万円弱の落ち込みにとどまっているが、ファミリーマートとローソンは5万円以上も下回っている。

 「サークルK」「サンクス」との経営統合により、業界2位に浮上したファミリーマート。経営統合から約4年経過した現在も平均日販は規模のメリットを手にできず、統合当時の水準で推移している。

 現在、大手3チェーンの国内総店舗数は、セブン‐イレブンが約2万1000店、ファミリーマートが1万6663店(20年12月31日時点)、ローソンが1万4444店(20年2月末時点)となっている。規模だけで見ると、ファミリーマートとセブン‐イレブンは4000店強ほどの差だが、“稼ぐ力”の差はもっと開いているとみていい。

セブン‐イレブンとの差を詰めるには……

 ではなぜファミリーマートは、セブン‐イレブンとの日販差を詰められないのだろうか。

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