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ディスカウントストア? スーパーマーケット? 売場から見えた「ジャパンミート」の独自性

首都圏で食品スーパー(SM)を展開するジャパンミート(茨城県/坂本智幸社長)。今年2月に持株会社体制に移行し、直近では新たな立地での出店にもチャレンジするなど、水面下でさらなる成長に向けた動きを見せている同社。前編では、東京都下にある大型店「ジャパンミート瑞穂店」(東京都西多摩郡:以下、瑞穂店)の生鮮3部門の売場をレポートした。後編では、総菜、日配、加工食品などの売場を見ていこう。※調査日2月23日、本文中の価格はすべて本体価格

弁当・揚げ物のラインアップが充実

 店舗メーン入口から見て奥側で展開する総菜売場は、精肉と鮮魚のあいだに配置されている。壁面で展開する揚げ物・天ぷらコーナー、平台の弁当コーナーともに商品は絞り込んでいるようだ。揚げ物では「ロースとんかつ」(280円)、「極旨メンチ」(100円)、「手ごねメンチ」(115円)、「黒豚コロッケ」(90円)、「旨いもコロッケ」(65円)、「アジフライ」(100円)など肉関連の商品を充実させている。

揚げ物コーナーで販売する「国産若鶏手羽とろ唐揚げ」(297円)

 弁当は「ロースとんかつ弁当」、「イベリコ豚の旨辛焼肉弁当」、「ハンバーグ弁当」など398円の商品を軸に、「ミニカツ丼」(298円)、「トンテキ弁当」「ジャンボ唐揚とハンバーグ弁当」(各450円)」、「鮭弁当」(480円)、「5種満足弁当」(498円)など値ごろ感のある商品をバラエティーに富んだラインアップで展開する。

弁当コーナーで販売するミニカツ丼(298円)

 そのほか、系列会社である花正(東京都/富澤夏樹社長)の「銀座ハナマサかつサンド」(399円)も扱う。和総菜やサラダなどの取り扱いもあるが、揚げ物や弁当などと比べると品目数は少ない。全体的に「ボリューム感」を意識した売場づくりを志向しているのかもしれない。

独自スタイルの非生鮮食品売場

 正面入り口から見て右側のゾーンにある日配売場では、壁面で和日配、島冷蔵ケースで洋日配をそれぞれ配置する。納豆、漬物、豆腐など各カテゴリーにオリジナル商品を絡めた商品構成としており、極端な価格訴求は行っていない。堅実な対応と言える。

ジャパンミート瑞穂店の売場レイアウト図

 冷凍食品売場はオリジナルの業務用商品がメーンで、ナショナルブランド商品などの市販商品の扱いはない。「讃岐うどん5食」「ミニメンチカツ10個」「カニクリームコロッケ10個」「ミートコロッケ8個」(各198円)など値ごろの感のある商品を豊富に揃える。一方、16尺で展開するアイスクリーム売場は、売れ筋中心の構成。レジ付近に配したパン売場も、同様に売れ筋が中心となっている。

 レジ前で展開する菓子と加工食品の売場も、売れ筋が軸となっているが、加工食品売場では15尺の輸入商品コーナーを展開。「紅茶」「珈琲」「ジャム」「ピクルス」「パスタ」などの輸入商品を揃える。

アイテム数は少ないがプライベートブランドもみられる。飲料コーナーではPBの緑茶や烏龍茶を揃えている

 重点商品と位置づけていると思われるのが酒類だ。「ビール系飲料」のケース売りに力をいれるかほか、日本酒も強化しているようで、催事コーナーでは「獺祭」「久保田万寿」などを販売していた。
同じく催事コーナーでは、「森伊蔵」「佐藤」「百年の孤独」などプレミアム焼酎も販売する。レギュラーの売場では「澤乃井」「田村酒造」「石川酒造」など東京都の焼酎を充実させている。そのほか、売れ筋の一升瓶28SKUも揃える。

 ワインは「成城石井」ブランドの商品など輸入ワインに力をいれているようだ。非生鮮商品の売場で共通しているのは、ゾーニングが明確である点だ。どの売場も定番中心の絞り込んだ品揃えでありながら催事での展開を重視する、という独自スタイルをとっている。

際立つ「ディスカウントストア」のイメージ

 「ジャパンミート」はディスカウントストア(DS)なのか。それとも食品スーパーなのか。売場を見ただけでそれを判断するのは難しい。

 ジャパンミートの基本的な売場スタイルは食品スーパーである。だが、一部の売場ではDS型の販促を展開しており、「食品スーパーとディスカウントのスタイルが混在している」というのが筆者の印象だ。

 このジャパンミートの「DSのイメージ」は、青果と精肉の価格設定が大きく寄与している。調査日は「レタス」「キャベツ」「白菜」といった売れ筋の安さを強くアピールしていた。こうした日替わりの価格訴求がお客に安さを印象づけている。

 精肉卸出身の強みを発揮した、競合店では出せない精肉の安さも、DSとしてのイメージを形成している。加工肉や冷凍肉などのオリジナル商品をジャパンミートの強みだ。この青果と精肉の安さが「ジャパンミートはDS」というイメージをお客に植え付けているというわけだ。

ジャパンミート瑞穂店の外観(メーン入口)

 そのほか、冷凍食品もジャパンミートの独特なイメージづくりに大きく貢献している。前述の通り、NB商品は扱わず、業務用商品、自社オリジナル商品、冷凍肉、冷凍魚で構成する冷凍食品売場は、一般的な食品スーパーとは一線を画したものとなっている。これらの商品を求めて来店するお客も少なくないだろう。

 輸入商品も特徴的で、加工食品売場内の輸入商品コーナーで販売するジャムやオリーブオイル、パスタなどは、ブルガリア・カナダ・トルコ産の商品が目立つが、パッケージや量目は日本仕様となっており、手に取りやすい商品が多い。どの商品もコンセプトが明確であり、値ごろ感もある。こうした輸入商品もジャパンミートの独自性を際立たせている。

首都圏で勢力拡大となるか

 ジャパンミートグループは2020年2月にJMホールディングス(茨城県/境正博社長)を設立、持ち株会社制に移行し、新たなスタートを切っている。JMホールディングスの傘下には、ジャパンミートのほか、都市型ホールセール「肉のハナマサ」や、地域密着型スーパーの「パワーマート」などの運営企業がぶら下がる。

 これにより、ジャパンミートグループはより多様な立地・商圏に出店できる体制が整ったとみていいだろう。20年3月には、「ジャパンミート卸売市場王子店」(東京都北区)を出店するなど、都心部も射程圏内におさめている。

 新体制のジャパンミートは、「ジョイフル本田のジャパンミート」のイメージから脱却しつつある。最近は、ジャパンミートと同じく精肉関連企業をルーツとするロピア(神奈川県/高木勇輔代表)が首都圏で勢力を急拡大している。JMホールディングスは今後どのようなスタイルで都心部に進出していくのか。首都圏の需要争奪戦における隠れた注目株となっている(「ダイヤモンド・チェーンストア」5月1日号では特別企画『知られざる「ジャパンミート」の実力』を掲載します、お楽しみに)。

店舗概要
所在地 東京都西多摩郡瑞穂町700-1
開店年月 2007年1月
売場面積 約600坪(歩測)
営業時間 9:00~20:00
駐車台数 3020台(ジョイフル本田瑞穂店)