メニュー

強豪ひしめく首都圏で確かな存在感! 「スーパーベルクス」の実力

東京都足立区を本拠とする食品スーパー企業のサンベルクス(東京都/鈴木秀夫社長)は、東京・埼玉・千葉の1都2県に「スーパーベルクス」の屋号で44店舗を展開する。最新期の売上高は704億円。企業規模としては中堅チェーンの位置づけだが、大手小売がしのぎを削る首都圏エリアで存在感を放っている。サンベルクスの強みはどこにあるのか。2019年4月オープンの「スーパーベルクス草加谷塚店」(埼玉県草加市)の売場から探っていく。

調査日=9月29日、10月3日
※本文中の価格はすべて本体価格です

自社開発SCの核店舗!

 サンベルクスが出店攻勢をかけている。2019年3月に「中葛西店」(東京都江戸川区)、4月に「草加谷塚店」(埼玉県草加市)、5月に「島忠春日部本店」(埼玉県春日部市)と3カ月連続で新規出店。19年11月現在、総店舗数は44店舗となっている。ここでは、新店舗の1つ、サンベルクスの本部からほど近い、草加谷塚店の売場を見ていこう。

 草加谷塚店は東武鉄道伊勢崎線「竹ノ塚」駅から北に約1.5kmの場所にある。サンベルクスの地盤である東京都足立区と、隣接する埼玉県草加市のちょうど境に位置する店舗だ。売場面積は約600坪(歩測)。サンベルクスとしては大型店の部類に入ると思われる。

 ショッピングセンター「ベルクスタウン草加谷塚」の核店舗であり、同店のほか、ドラッグストアの「スギ薬局」、カジュアル衣料の「しまむら」、ベビー・子供服の「バースデイ」、コーヒー専門店の「倉式珈琲店」のほか、自社開発のスポーツジム「ベルクススポーツジム」が入る。首都圏でこれだけの敷地を取得するためには、相当の資金力と交渉力が必要だったのは想像に難くない。地域におけるサンベルクスの信頼の深さを窺わせる。

ショッピングセンター内には自社運営のスポーツジムも入る

 売場を見ていこう。店舗に足を踏み入れ、まず目に飛び込んでくるのが青果売場だ。八百屋出身の企業ということもあり、青果売場を核売場ととらえているようで、新鮮な青果を価格訴求することでお客を強烈に引きつけている。

 調査日は、キャベツ(1個88円)、白菜(1/4カット79円)を「先着200名」「お1人様1個限定」の目玉商品として販売。そのほかにも、レタス(1個99円)、キューリ(3本99円)、長ねぎ(3本149円)、大根(1本149円)、もやし(250g29円)など、近隣の他チェーンと圧倒する安さを打ち出していた。また、売場の一角に漬物を集めた「創業50年秘伝の糠床」コーナーを設けており、「キュウリ浅漬け」(2本100円)なども販売。こちらも人気商品となっているようでよく売れていた。

精肉・鮮魚
オーソドックスで堅実な精肉・鮮魚売場

 鮮魚売場はオーソドックスな構成で、主通路壁面で丸物、切身、貝類などを配置。「秋刀魚」(2尾199円)、「真あじ(大)」(2尾299円)や「真いわし開き」(10枚199円)「あわび」(3個980円)、「生秋さけ」(2切299円)などパック詰めの商品を値ごろ感のある価格で提供する。

 刺身コーナーでは「本まぐろ盛あわせ6点」(780円)に「ぶり刺し」(199円)、「かつお刺し」(299円)なども扱う。調査時は、16時からのタイムサービス品として「本まぐろ創採造り6点盛」(880円)を販売していた。

 続く精肉売場は主通路壁面と平台2台で展開する。調査日は販促日で、「月に一度のお肉の日」と題し、「国内産若鶏ささみ」(100g59円)、「国内産豚肉ロースうす切り」(100g129円)、「米国産プライムビーフ肩ロースステーキ用」(100g199円)などを“売り切れ御免”で提供していた。

 レギュラー商品も丁寧なつくりで、牛肉は国産を「群馬牛」「栃木牛」、輸入は米国産を軸にカナダ産、オーストラリア産を絡めた構成としている。豚肉では、国産が北海道産、輸入がカナダ産で対応。鶏肉は青森県産「五穀味鳥」など国産が中心の。加工肉はプライベート商品がないため、ナショナルブランドの売れ筋で固めている。全体的にオーソドックスかつ堅実な印象で、売れ筋をしっかりと売り込んでいくという姿勢が伝わってくる。

総菜
お客目線で考えられた、“理にかなった”配置

 個性が光るのが総菜売場だ。注目したいのは麺や佃煮といった日配品の売場を隣接させている点である。食卓のメーンとなる主食や、すぐに食べられるおかずの日配品を総菜売場と連動させたことで、非常に買いやすい売場となっている。パンやチルド飲料の売場も近く、お客目線で考えられた理にかなった配置である。

寿司コーナーで販売する「えんがわ握り寿司」(2貫159円)

 商品を見ていくと、調査日は「握り寿司10貫」「手巻寿司5本」(各580円)をよりどり2パック980円セールを実施。また、「焼餃子」「大阪王将肉団子」「豚レバニラ炒め」(各1パック380円)など中華総菜6品目でもよりどり2パック680円で提供していた。

総菜売場で販売する「明太メンチカツ弁当」。ご飯大盛りと普通盛りが選べるようにしている

 壁面ではフライ、天ぷら、焼鳥をコーナー展開する。弁当も壁面に配置しており、調査時は「牛すき焼重」(379円)を目玉商品として訴求しながら、「ロースかつ丼」「親子丼」(各299円)、「鶏もも唐揚弁当」「赤魚の西京焼弁当」「明太西京焼き弁当」(各399円)、「銀鮭幕の内弁当」「タイメイ軒監修ハンバーグ弁当」(各499円)と価格帯別に商品を充実させている。

 そのほか、「ソース焼きそば」「手作りスパゲティナポリタン」(各299円)なども麺類も揃える。どの商品もボリューム感がありながら、価格は安く、馴染みのあるメニューが充実している。先述の日配との連動ともあわせて、競合店には独自のスタイルが確立させている印象だ。次回では日配、加工食品の売場を見ていく。

(店舗概要)
所在地 埼玉県草加市谷塚上町271-1
開店日 2018年4月10日
営業時間 10:00~21:00
売場面積 約600坪(歩測)
アクセス 東武スカイツリーライン「竹ノ塚」駅西口からバスで約7分
レジ台数 9台(セルフ精算機13台)