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成田芝山店レポート ベイシアがフォーマットづくりを進めるコンパクトスーパーセンターの革新点

ベイシア(群馬県/橋本浩英社長)は920日、千葉県山武郡芝山町に「ベイシアスーパーセンター(SuC)成田芝山店」(以下、成田芝山店)をオープンした。「勝浦店」(千葉県勝浦市)、「潮来店」(茨城県潮来市)に続き同社がフォーマットづくりを進める「コンパクトSuC」の3店舗目で、潮来店での取り組みを踏襲しつつ、食品売場では新商品を数多く導入した最新店舗だ。

ベイシアスーパーセンター成田芝山店

総菜では新商品を続々発売

 成田芝山店は芝山鉄道線「芝山千代田」駅よりクルマで約20分の場所に位置している。店舗近くには成田空港があり、空港で働く外国人が多く居住しているのが特徴だ。

 まずは今回初導入した新商品を中心に、食品売場を写真とともに見ていこう。総菜売場では、1日に必要な野菜の4分の3を摂取することができる「カリフラ&大豆ミートハンバーグ(デミグラス風)」や、1日に必要な食物繊維の3分の1を摂取することができる「スーパー大麦&ひよこ豆カレー(国産米)」(いずれも398円:以下、税抜)など、健康に配慮した商品を新たに発売した。

1日に必要な野菜の4分の3を摂取できる「カリフラ&大豆ミートハンバーグ(デミグラス風)」

 また、カレーでは「三浦店」(神奈川県三浦市)で復活させたセルフ方式のカレーに加え、パックの「情熱!絶品カレー」を新発売。「ビーフ」「チキン」「野菜」「シーフード」(各398円)の4種類を展開しており、それぞれ素材の味が引き立つようにルーの味付けを変更している。

「情熱!絶品カレー」は「ビーフ」「チキン」「野菜」「シーフード」の4種類を展開

 そのほか総菜売場では、人気食材を使用した商品の専門コーナー化を進めた。三浦店で導入したとんかつの「万葉亭」、潮来店で導入した鶏肉総菜の「千羽鶏」に加え、成田芝山店では「海老カツタルタル」(298円、以下税抜)や「大海老フライ」(398円)など、海老を使った総菜を「寿老舗(じゅろうほ)」として新たにコーナー展開している。

海老を使った総菜を集めたコーナー「寿老舗」

ミールキットでは健康志向の商品を投入

 ベイシアオリジナルのミールキット「オイージースイージー」でも新商品を発売。「管理栄養士監修 主菜1品・副菜2品セット ハンバーグセット」(598円)や減塩をテーマにした冷凍のワンプレート商品など、健康に配慮した商品を新たに展開した。

ミールキット「オイージースイージー」では健康志向の商品を新発売

 イートインスペースの「Hana Cafe」では、「いちごとあんこのコッペパン」「柿といちじくのコッペパン」(いずれも298円)など、カットフルーツを使用したコッペパンを新発売した。

ベイシアのコンパクトSuCの革新点とは!?

 ベイシアがフォーマットづくりを進めているコンパクトSuCの特徴は主に3つある。①標準サイズのSuCよりも売場面積を縮小し、効率よく食品と非食品を回遊できるようにしている点、②食品売場では、総菜部門の総菜のほか、生鮮3部門の素材を使った生鮮総菜を集約した「スーパーデリカテッセン」やバイオーダー式のカフェを併設したイートイン「Hana Cafe」など、最新の商品政策を導入している点、③非食品売場では、商品を絞り込み地域特性に合った品揃えを行っている点だ。

 今回の成田芝山店では、コンパクトSuC2店舗目の潮来店の取り組みをほぼ踏襲している。入口は1箇所にまとめて食品と非食品をワンウェイで買えるようにしている。また、食品と非食品の境目となる通路で展開するシーズン商品の売場では、安さを訴求するために大きめのプライスカードを導入したほか、その通路の突き当たりには非食品のプロモーションコーナーを設けた。お客の目を引き、非食品売場へと誘導する役割を持たせている。

食品売場と非食品売場を隔てる通路の突き当たりでは、非食品のプロモーションコーナーを設けた。取材時にはスポーツブランドの靴下が並んでいた

 また、食品と非食品の売場面積比をほぼ11にしている点も潮来店と同様だ。この点については、成田芝山店だけではなくコンパクトSuC1店舗目である勝浦店にも波及させている。もともと勝浦店はコンパクトさを重視するあまり非食品の売場を縮小しすぎており、「住関連品など必要なものまで削ってしまっていた」(広報担当者)という。改装により非食品売場を拡大したことで、勝浦店の売上はアップしているとのことだ。

 3店舗の売場面積や構成が統一されつつあることから、コンパクトSuCのフォーマットづくりは完成に向かっているといえるだろう。今後ベイシアはコンパクトSuCの適正な売場面積を5000~6600m2程度とし、売場を微調整しながら出店を進めていく考えだ。フォーマットを固めつつ、地域特性に合った品揃えや新商品の積極的な投入を行うコンパクトSuCは、ベイシアの新たな主力業態になりそうだ。