メニュー

ベイシアの新戦略 グローサラントで女性向けスイーツを強化(上尾平塚店)

ベイシア上尾平塚店
上尾平塚店のHana Cafe。直営で大型ショッピングセンターのフードコートのような空間を創出している

ベイシア(群馬県/橋本浩英社長)は、2018年から新店や改装店に、飲食を提供するベーカリー&カフェ「Hana Cafe」の設置を進めている。3月1日に開店した「ベイシア上尾平塚店」(埼玉県上尾市:以下、上尾平塚店)ではスイーツメニューを拡充し、グローサラントの取り組みをさらに進化させている。

「Hana Cafe」を独立した空間で展開

 上尾平塚店がオープンしたのは、JR高崎線「上尾」駅から北東約3kmの住宅街だ。かつてはマルエツ(東京都/古瀬良多社長)が核店舗として入居していたショッピングセンターの跡地で、ベイシアとして居抜き出店は初めてのことになる。競合店としては、店舗から1km圏内に「ベルク上尾東店」「ヤオヒロ東店」などがあり競争の激しいエリアだ。

 今期(2020年2月期)で創業60周年を迎えたベイシアは、19年2月期から新店や改装店で、Hana Cafeの設置をはじめ、売場レイアウトの変更や、生鮮3部門における「素材の総菜化」など、従来と異なる店づくりに挑戦している。

 上尾平塚店は、新しい店づくりを実践した7店目の店舗だ。同店では、売場づくりやメニューの拡充により「Hana Cafe」を進化させているのが特徴だ。

 売場づくりでは、これまでは青果売場と総菜売場とともにHana Cafeを集中配置していたが、上尾平塚店では、食品売場から少し離れた場所で独立させたかたちで展開する。78席と席数を多く確保するとともに、キッズスペースも導入して子供連れでも利用しやすくした。隣には、ベイシアグループのミュー・エンターテイメントによるアミューズメントパーク「あそびのくに」を設置し、大型ショッピングセンターのフードコートのような洗練された空間を直営で展開している。神道高彰店長も「こうした空間を単独で展開できるほどHana Cafeを開発・運営するノウハウが蓄積されてきた」と話す。

 

キッズスペースを導入したほか、隣にはベイシアグループのアミューズメントパークも導入して子供連れでも利用しやすいようにしている

ショーケースでケーキを販売

カウンターの隣のショーケースで販売するケーキ。彩り豊かな果物が目をひく。果物は青果部門の素材を使っている

 提供するメニューは、スイーツの新商品を複数導入している。そうすることで、若い女性客の利用を増やしたい考えだ。

 新商品を順に紹介していくと、カウンターの隣では、ショーケースを設置してケーキを10品目販売している(257円または321円:以下、税込)。「フルーツ入りカップケーキ」や「いちごモンブラン」などで、果実は青果部門の素材を使用している。

ケーキは持ち帰りも可能。Hana Cafeのマークがついたボックスに入れてくれる。ベイシアはHana Cafeのブランド価値を高めていきたい考えだ

 ベイシアのプライベートブランド(PB)商品の「別海のおいしい牛乳」を使用した、ロールケーキ「Hana Cafe ROLL」(ハーフ・645円)や、ソフトクリームの「バニラ」(180円)と「フルーツソフト(いちご)」(250円)も投入した。これまでHana Cafeでは、専用ケースを設置して青果部門の素材やPBの牛乳を使用したジェラートを販売していたが、上尾平塚店ではソフトクリームに切り替えている。

新商品のロールケーキ「Hana Cafe ROLL」。PBの牛乳の風味と、ふんわりした食感の生地にこだわった
PBの牛乳を使用したソフトクリームを新たに導入している。牛乳の風味がしっかり伝わる、濃厚な味わいが特徴だ

 ドリンクメニューも新たに加えており、若年層を中心に人気が高まっている「タピオカジュース」(ストロベリー・マンゴー・ライチ・ブラックティー・抹茶の計5種:各300円)や、酢を使った果汁ドリンク「ビネガードリンク」(150円)を販売する。

 スイーツメニューを強化する一方でフードメニューも充実させた。既存のHana Cafeの売上上位商品であるラーメンメニューに「濃厚クリーミー坦々麺」(490円)を加えたほか、鮮魚部門のネタを使った「自慢の特上八種盛り海鮮丼」(980円)を1日限定10食で提供する。「Hana Cafeを設置する目的は、客層の拡大と来店頻度の向上を図り、客数を増加させること。今後も幅広いお客さまに利用していただけるようなメニューを提供していきたい」(広報担当者)。

ランチプレートやハンバーガー、ラーメンなども販売し、幅広い層のニーズに対応する
1日10食限定の「自慢の特上八種盛り海鮮丼」。5月頃に神奈川県三浦市で開店予定の店舗での販売を見込み、実験的に導入した商品だ

一部商品を既存店にも導入

 現在、設置店舗が7店まで広がったHana Cafe。1日をとおして満席状態の店もあるほど支持を獲得しているという。今後は導入店舗を早期に増やしたい考えだ。

 橋本浩英社長は「お客さまとのコミュニケーションを図れる接客は残しつつ、店内調理は必要最低限に削減できるように効率化を進めることで、できるだけ多くの店舗にHana Cafeを導入していきたい」と語る。

 また、前述したこれまでHana Cafeで提供していたジェラートは、商品化して「Hana Cafe」ブランドの商品として食品売場で販売していくことも計画中だ。このように小型で売場面積に限りがあるといったHana Cafeを導入できない店においても、商品だけでも水平展開して全体の競争力アップにつなげる方針だ。

 ベイシアは、Hana Cafeの目標として、「ベイシア以外の店や商業施設にも出店できるくらい、独自のブランド価値の高めたい」としている。今年5月頃に神奈川県三浦市に新しいスーパーセンターを開業する計画で、Hana Cafeも導入する。次はどのような施策に挑戦するのか注目したい。

店舗概要

所在地 埼玉県上尾市大字平塚宇松原2518-1
開店日 2019年3月1日 TEL 048-579-0222
店長 神道高彰 売場面積 915.1坪
営業時間 9:00~20:00 駐車台数 231台
取扱品目数 1万3129品目 従業員数 59人(うち正社員14人)
年商目標 23億円 レジ 12台(うちセルフレジ6台)
イートイン 78台