メニュー

チルドハンバーグ市場、本格的な味わいの商品の登場で市場は順調に拡大中

夕食需要を取り込む高付加価値商品の登場で、順調な右肩上がりを続けているチルドハンバーグ市場。2020年はコロナ禍で内食需要が高まり、さらに伸長した。今後も調理時間の短縮や簡便さを求める需要を獲得することで、引き続き拡大が見込まれている。

お弁当から夕食用など幅広いニーズに対応した3個入

 子供の好きなメニューのハンバーグだが、手づくりするには手間がかかるため、チルドや冷凍ハンバーグが人気を集めている。とくにレンジや湯煎で温めるだけで手軽に食べられるチルドハンバーグは順調な右肩上がりが続いている。お弁当のおかずとしてはもちろん、夕食需要を取り込む高付加価値の本格的なチルドハンバーグの登場で需要は一気に拡大した。また、2010年発売のセブンイレブンの「金のハンバーグ」の大ヒットを受け、コンビニエンスストア各社が追随し、市場を活性化している。

レンジや湯煎で温めるだけで手軽に食べられるチルドハンバーグは順調な右肩上がりが続いている。 i-stock/Hisae Ina

 KSP-POSデータのチルドハンバーグの期間通算の金額PIは、1756円で対前年同期比15.4%増。月別金額PIではほとんどの月で2ケタ増と大きく伸長した。在宅勤務の浸透や感染防止意識の高まりから、内食率が上昇したことでチルドハンバーグの需要を押し上げた。

 チルドハンバーグの先駆け的存在なのが、マルシンフーズの「マルシンハンバーグ」。1962年発売で、チルドハンバーグ市場を牽引してきた。今秋には、既存の商品では少し物足りない、という人に向けて、既存の1.5倍(重量)のハンバーグ「マルシンハンバーグBig」を新発売。食べ応えがあり、大人でも満足できるサイズにした。

 チルドハンバーグ市場で№1の売上を誇るのが、ニッポンハムの「濃厚とろける4種チーズのハンバーグ」。独自にブレンドした4種のナチュラルチーズで包んだハンバーグで、温めたときチーズがとろけるのが人気だ。3個入なので、お弁当や夕食として幅広い使い方が浸透している。

 3個入では、プリマハムの「直火デミグラスハンバーグ」も好調。ふっくらとしたハンバーグをジューシーに直火で焼き上げ、デミグラスソースでやわらかく煮込んだ。この秋には、ソースを改善することでハンバーグ全体のおいしさをアップした。リニューアルに合わせて増量キャンペーンを実施し、前年を大きく上回って推移している。

高付加価値の1個タイプは夕食需要を取り込む

 個食タイプの夕食需要に対応した商品も次々に発売されている。ニッポンハムでは、焼きの香ばしさや風味にこだわった「極み焼ハンバーグ」シリーズを展開。鉄板焼きでおいしさを閉じ込めた後、直火焼きをすることで、香ばしいハンバーグに仕上げた。ソースを最後にかけることでハンバーグの香ばしさを引き立てる。

 一方、伊藤ハムでは「旨包ボリュームリッチハンバーグ」を展開。肉の旨味を肉で包んだハンバーグで、肉粒感をアップすることで、よりジューシーで口に入れたときに肉の旨味を堪能できるように仕上げた。パッケージでは一目で「極厚でジューシー」が伝わるデザインにリニューアルした。

 順調に市場を拡大しているチルドハンバーグは、店頭価格が安定しているので、小売店にとっても利益が確保できるカテゴリー。手頃な価格のものから、高付加価値で本格的なものまで幅広く揃っているチルドハンバーグを加工肉売場でコーナー化し、視認性を高めることで、トライアルを促進し、さらに需要を高めたいところだ。