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2桁成長が続くプロテイン市場!運動不足解消など、スポーツ人口増加で需要が大幅に拡大中!

プロテインおよびたんぱく補給食品の市場は、運動不足やコロナ太りの解消を目的にスポーツを始める人が増えたこと、TV番組などでプロテインに関する情報を目にする機会が増えたことなどが影響し、需要が拡大している。

ユーザー層に広がり、2ケタ成長が続くプロテイン市場

 富士経済の調査によると、2020年のプロテインパウダーの市場規模(見込み)は前年比17%増の680億円となった。20年は新型コロナウイルス感染症の流行をはじめ東京オリンピック・パラリンピックの延期などの影響を受け消費の低迷が見られたが、プロテインパウダーについてはコロナ太りや運動不足解消のため、自宅でトレーニングをする人が増えたことから需要が高まっており、前年以上の伸び率で拡大するとみられている。

プロテインパウダーはコロナ太りや運動不足解消のため、自宅でトレーニングをする人が増えたことから需要が高まっている。 i-stock/MartinPrescott

 明治の「ザバス」ブランドをはじめとしたパウダータイプのプロテインは、2000年代半ばまでごく一部のトップアスリートの利用に限られていたが、08年頃からライトユーザーにも広がりを見せ、15年以降はたんぱく質摂取の重要性が理解されたことやロカボ(低糖質食)の普及、スポーツ人口の増加などから市場は2ケタ増で成長を続けている。さらに、市場を盛り上げているのが、より手軽にたんぱく質を摂取できるたんぱく補給食品の存在だろう。

 20年のたんぱく補給食品の市場(見込み)は対前年比11.8%増の1727億円となった。プロテインパウダー同様、コロナ太りや運動不足解消の目的のほか、テレビ番組のプロテイン特集で各種たんぱく補給食品が取り上げられたことも影響しているようだ。

 同市場は14年以降、毎年前年比2ケタ増で伸長を続けており、今後も継続して市場拡大していくとみられている【図表】。

 たんぱく補給食品は、明治「(ザバス)MILK PROTEIN」シリーズや森永乳業「inPROTEIN」シリーズをはじめとしたドリンクタイプ、アサヒグループ食品「1本満足バー プロテイン」シリーズのようなバータイプ、日本ルナの「イーセイ スキル」のような発酵乳など、商品群がバラエティに富んでいることも特筆すべき点だろう。とくに明治「TANPACT」ブランドでは、飲料をはじめ、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、菓子類やアイス、グラタンやスープといった加工食品まで、幅広いラインアップを有している。

コーナー化で気づきを与え、トライアルユースを促す

 三大栄養素のひとつであるたんぱく質は、筋肉をはじめ、内臓や皮膚、爪、毛髪など、人間のカラダのさまざまな部位をつくるのに欠かせない重要な成分だ。

 これまでプロテインというと、本格的にスポーツを行うアスリートが筋肉をつけるために摂取するイメージが強かったが、近年はスポーツ人口の増加に加え、たんぱく質摂取のメリットについての理解が深まったこと、日常的にたんぱく質を摂取する生活者が増えたこと、商品の幅が広がったことなども奏功し、健康維持だけでなくダイエットや美容目的など、それぞれのニーズに合わせて、性年代問わずたんぱく質を摂取する機会が増えてきている。

 新商品の開発・発売が相次いでいることもあり、プロテインの市場は今後も成長していくとみられている。カテゴリーの垣根を超え商品のラインアップも豊富になってきたことから、今後は商品を集積しコーナー化することもひとつの施策だろう。売場にプロテインコーナーをつくることで来店客に気づきを与え、トライアルの促進をめざしたいところだ。

 

内容変更:2021/7/7 グラフ差し替えました。