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森永製菓、「お菓子の力で笑顔とコミュニケーションを」テーマに 体験型の価値やシーンの創造を提案

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おうち時間の拡大により、ビスケットやスナックが好調だった一方で、外出時の喫食機会が多いキャンディなどは苦戦を強いられた。森永製菓ではこうした生活環境や価値観の変化に対応した取り組みを行っていく考えだ。

「チョコボール」「おっとっと」はブランドの価値向上を図る

 森永製菓では主力のビスケットが好調で、なかでもロングセラーの「マリー」や「ムーンライト」ブランドが大きく伸長した。とくに「ムーンライト」は、王道のビスケットとして毎年拡大を続け、この10年で170%を記録した。自分用としてはもちろん、子供にも安心して与えられるお菓子としてファンから支持されている。

 生活環境や価値観が大きく変化するなか、同社ではこの春から3つのテーマに取り組んでいる。ひとつは「ブランド価値の向上」。ロングセラーの「チョコボール」は、金や銀のエンゼルを集めて必ずもらえる「おもちゃのカンヅメ」やオリジナルキャラクターのキョロちゃんが人気のチョコ菓子だが、時代とともに若年層の認知が低くなっていた。そのため、3月に新おもちゃのカンヅメとして「飛びたいキョロちゃん缶」にパワーアップ。それに合わせて人気アーティストとコラボしたミュージックビデオを公開した。

 さらに、チョコがけをしていない「チョコボールのなかみ」が好評で、この春からチャネルを拡大して展開する。おやつだけでなく、おつまみとしても最適で、30~50代男性から人気を集め、「チョコボール」ブランドの需要拡大につながっている。

 一方、幅広い世代から支持されている「おっとっと」は、「学研の図鑑LIVE」とのタイアップを実施。パッケージを図鑑の表紙に合わせてデザインし、パッケージ内側には生物の説明のほか、スマホをかざすとARで3DCGが楽しめるコンテンツが用意されている。特設サイトでは菓子型を収集して遊ぶこともでき、おうち時間を親子で楽しめる仕掛けだ。同社では「食べておいしいだけではなく、お菓子の力で笑顔とコミュニケーションを提供」することにより、体験型の価値提案を引き続き行っていく。

新食感提案の「ハイチュウ」溶けない訴求の「ベイク」

 2つ目のテーマが「変化への対応」。コロナ禍で生活環境が変化し、キャンディが苦戦していることから同社では「ハイチュウ」ブランドを強化。噛むことはストレス低減にもつながることから、食感に焦点を当て、今年の2月に「うまイチュウ」を発売。独特なカリじゅわ食感が楽しめる商品となっている。また同時に、「ぷにしゃりハイチュウアソート」を新発売。おなじみのハイチュウにぷにぷに食感のグミを入れた商品で、グミの食感だけでなく、中心部分はシャリシャリとした食感が楽しめる新感覚の商品だ。2品とも計画を上回る出荷!

 また、2層構造の焼菓子「ベイク」は、手で触っても溶けない、という特徴を生かして子育て世代に訴求。パッケージには「手で溶けず安心」というイラストでわかりやすく伝える。また、手で触ることに敏感な今だからこそ、シェアするのに便利で衛生的な面も兼ね備えた個包装パックを採用した。

 3つ目のテーマが「新しいシーンの創造」。身近なおやつの定番「森永ラムネ」は、これまで堅調に推移してきたが、近年仕事や勉強にも相性がよいと注目を集め売上が以前の2.5倍に拡大している。またぶどう糖を90%配合しているラムネを摂取することで、認知機能の一部である「ワーキングメモリー」と「持続的注意力」機能が改善することが確認されている。同社ではこうしたエビデンスを基に情報発信を行い、「森永ラムネ」の新たなシーンの拡大を図る。