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1本5000円も!コロナ禍の恵方巻で二極化、豪華さ狙うスーパー、手頃でバラエティ感のコンビニ

コロナ禍で中食需要が高まる中、今年もスタートした恵方巻商戦。外食控えの影響で、おせちなど家で楽しむ季節商品に贅沢さや豪華さを求める向きもあり、恵方巻もこの例外ではない。大手スーパーマーケット(SM)各社と、コンビニエンスストア(CVS)大手三社の、2021年恵方巻ラインアップについてまとめた。
※記事中の価格は全て税抜き表記

イオンの恵方巻特設サイト(https://chirashi.otoku.aeonsquare.net/sp/chirashi/ehoumaki/index.html

贅沢感あふれるイトーヨーカドーの恵方巻

 イトーヨーカドー(東京都/三枝富博社長)が今年の恵方巻の目玉として打ち出すのは、25種類の海鮮を巻き込んだ総重量1.2kgの「超・極太巻き」(一本4980円/ハーフ2500円)だ。イトーヨーカドー100周年を記念した商品で、何重にも具材を巻き込みひときわ目を引く豪華な恵方巻になっている。他には、割烹料理店の有名シェフの監修を受け、幻の高級魚クエを使った「料理人こだわりの炙りクエ幸運重ね巻」(1980円)などを販売。変わり種としては、海苔で巻かず、恵方巻の上にも具材を盛り付けた「福は内!絶品うにいくら贅沢巻」「鬼は外!豪快本鮪大とろ海鮮巻」(いずれも2680円)など、全体的に贅沢感や豪華さをアピールしたラインアップになっている。

イトーヨーカドーの特設サイト(https://www.itoyokado.co.jp/special/ehoumaki/index.html)。
「超・極太巻き」が大きく掲載されている

ライフコーポレーションの恵方巻紹介ページより(http://www.lifecorp.jp/topics/setsubun_2021/img/pdf/2021_setsubun_east.pdf)。

リーズナブルな恵方巻も揃えたイオン

 比較的リーズナブルな価格帯の商品を多く取り揃えているのがイオンリテール(千葉県/井出武美社長)だ。目玉商品は東京・銀座の寿司店監修の「招福海鮮恵方巻」。穴子、サーモン、海老などスタンダードな具材に、数の子やいくらといった高級具材を加えた構成で一本1490円(ハーフ753円)のお手頃価格だ。「香住ガニの贅沢太巻」(5000円)で高級志向の需要も押さえるが、「14種の具材たっぷり太巻」(2000円)、「極 太巻」(一本980円/ハーフ498円)など全体的に手に取りやすい価格になっている。ほか、全国漁連の取り組みで“プライドフィッシュ”と銘打った、地元漁師が自信を持って勧める魚を使った恵方巻として、「土佐沖どれキンメダイの太巻」「大分県産かぼすブリの太巻」(いずれも1580円)など4種類を展開する。

価格を抑えてボリューム感大、ライフの恵方巻

 ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)の今年の恵方巻は、北海道産大粒帆立を目玉の具材にした「極太 幸福海鮮太巻」(2580円)が主力商品だ。他社の恵方巻の多くが直径5~6cmの中、直径9cmの極太太巻きを価格を抑えて提供している。ほかには、具材が本鮪の大トロ、中トロ、赤身のみの「本鮪三昧太巻」(1980円)、すき焼き風に味付けした国産黒毛和牛を具材にした「国産 黒毛和牛太巻」(1780円)など特徴のある商品が並ぶ。こちらも直径7cmとボリューム感のあるサイズだ。また、サラダ巻きを加えたハーフサイズの太巻3種セットも販売しており、家族でいろいろな味を楽しみたいという需要にも応える。

定番商品に加え、生サーモン・生本鮪で差別化を図るヤオコー

 生サーモン、国産生本鮪を売りにした恵方巻を展開するのはヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)だ。生サーモン、生本鮪に加え、いくらや北海道産ほたてを使用した予約限定の「極み 海鮮巻」(一本2580円/ハーフ1290円)のほか、「国産生本鮪がたっぷり入ったご馳走鮪巻」(一本1960円/ハーフ980円)、「生サーモンがたっぷり入った海鮮巻」(一本1180円/ハーフ598円)を用意。また、人気商品である「節分海鮮巻」(一本1180円/ハーフ598円)を今年も販売する。ライフ同様に人気の太巻きのハーフサイズを3本セットでも販売するほか、子どもでも食べやすい太さ2.5cmの中巻6本セットも用意。「家族で過ごす節分」を意識した品揃えになっている。

CVS大手の恵方巻にも特色あり

 CVS大手3社もそれぞれ、CVSならではの低価格路線を守りながらも独自性のある恵方巻を展開する。

 セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長)は、厚焼き玉子や穴子、きゅうりなど定番の7品目を具材にした「7品目の幸福恵方巻」(398円)を、3本セット(1194円)、ミニサイズ(278円)などバリエーションをつけて販売する。ミニサイズと同じ大きさで具材を変更した、「こだわりのWサーモン恵方巻」(550円)、「飛騨牛の恵方巻(牛ごぼうすき煮入り)」(500円)など、やや贅沢感のある商品も用意した。

 ローソン(東京都/竹増貞信社長)は、アイテム数を絞り込み、そのぶん組み合わせの豊富さでバリエーションを打ち出す。「サラダ恵方巻」(361円)、漬けまぐろ、サーモンなどを使用した「海鮮恵方巻」(417円)、スタンダードな具材を使用した「七種具材の恵方巻」(389円)の3種を、1本単位での販売、3種1本ずつのセット、同種3本セット(サラダ恵方巻を除く)でそれぞれ販売する。また、CVSで扱う恵方巻としては高価格帯となる「なだ万監修 黒毛和牛香味焼きの恵方巻」を一本1185円、数量限定で販売する。

 CVS大手3社の中で、とくに“海鮮”を売りにするのがファミリーマート(東京都/澤田貴司社長)だ。サーモン2種を具材に加えた「海鮮恵方巻」(417円)のほか、ズワイガニや北海道産帆立貝柱を使用した「上 海鮮恵方巻」(834円)を販売する。ほか、定番の「恵方巻」(417円)、「黒毛和牛恵方巻」(602円)なども取り揃える。

ファミリーマートの恵方巻ラインアップ。
(https://www.family.co.jp/content/dam/family/campaign/2012_ehomaki/2101_ehoumaki_zenkoku_naka.pdfより)

 このように今年の恵方巻商戦は、SM、CVS各社とも、有名店監修の商品やこだわりの食材を使っているが、SMはボリューム感も意識した中〜高単価な商品、CVSは単価を抑えた商品〜中単価の商品が目立つ。コロナ禍の巣ごもり需要を、恵方巻という季節商材でも捉えることができるか注目だ。