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コロナで下着、ルームウェアにこだわる人が増加中「心地良さ」で支持されるKID BLUEとは

新型コロナの“買い控え”で大打撃を受けたアパレル業界だが、昔ながらのファンに支えられブランド価値を保ち続けているのが、創業43年のインナー・ルームウエアブランドKID BLUE(カドリールインターナショナル 東京都/井上誠治社長)だ。百貨店をメインに展開しているが、ECの売上も拡大しているという。ブランドの現在地と今後の展望についてディレクターの平野洋子氏に伺った。

KID BLUEに行けば、良質なコットンに出会える

2022秋冬オーガニックコットンのナイティ

 コロナ禍に自宅で過ごす機会が増え、インナーやルームウエアにこだわりを持つ人が増えている。

 「肌に直接触れる衣類は天然素材がいい」。「デザインが素敵だとおうち時間が充実する」。そんなニーズがコロナ禍で顕在化し、KID BLUEのブランド価値が見直されている。

 KID BLUEは世代を超えてインナーからリラクシングウエア、メンズやキッズ、日々を彩るグッズまでくつろぎのライフスタイルを提案している。

 「1番のこだわりは、着た時に心地良いと思えるか」と話すのはディレクターの平野洋子氏。

 コットンをはじめ、天然素材ならではのやさしい肌あたりやリラックス気分へつながる快適な着け心地にこだわり、KID BLUEを身につける時間や空間までも気持ちいいと思える毎日を提案している。

 クオリティは、「商品を着れば着るほど実感できるもの」をめざしている。商品の価格帯は、肌着はコットン素材で1万円前後、シルク素材は15千円前後、ブラジャーはコットン素材で5000円台から、シルク素材は1万円強からとやや高めだが、素材も縫製もしっかりしているので、長く着られる。その結果、“コスパが良い”のも支持される理由の一つだ。

 「コロナ以前は、インナーの需要が高かった。しかし、”巣ごもり”をきっかけで逆転現象が起き、現在はインナーとルームウエア46の割合で推移している」(平野氏)

 また、コロナ禍では、体に負荷がかかりにくい商品がより支持を集めるようになった。ワイヤーブラジャーの需要は減り、ノンワイヤーのブラジャーやカップ付きキャミソールが人気だ。

こだわる人はとことん! 仕様面で工夫を 

レースが施されたインナー

 肌がデリケートな人はネームタグや品質表示が肌に触れるのすら嫌う。そういう人が、信頼して通うのがKID BLUEなのだ。

 「商品によっては華やかなレースを使用することもあるが、その場合、レースに綿生地を重ねて肌に当たりにくい仕様にしたり、内側のゴムもできるだけ肌に触れないように配慮する。筒状の生地を使って脇の縫い目がないようにするなどの工夫もしている」(平野氏)

 商品はすべて自社縫製工場で縫い上げており、独自素材の開発にも時間を惜しまない。

アクリルベンベルグを使用した「起毛ドットJQシリーズ」
 コットンやリネン、シルクといった天然素材をメインに使用しているが、秋冬には一部アクリルやフリース素材も使用している。「天然素材でなくても、やさしい肌触りとナチュラルな着心地を一貫して大切にしている。23年秋冬商品に向けて、リサイクルポリエステルの素材を開発中」(平野氏)
わずかに起毛したアクリルベンベルクのインナーは、20年以上継続しているベストセラー。暖かく肌触りも抜群だと、顧客にも不動の人気を誇る。

主戦場は百貨店、コロナでECのシェア拡大も

オーガニックコットンのメリットタグ

 KID BLUEの路面店は東京の代官山店のみ。主戦場は百貨店で、百貨店が8割、EC2割、百貨店は北海道から九州まで40店舗展開する。コアな顧客層は、健康意識が高い40代から60代の女性。2世代、3世代で愛用している客もいるという。ただし、SNS販促での反応は薄めで、「今後は、30代の認知を高めていきたい」(平野氏)考えだ。

 海外ファンも多く、コロナ前からインバウンド需要が見込めていただけに、一時は売上に影響した。「だが、創業当初からご贔屓にしてくださったお客さまが支えてくださり、覚悟したほど影響を受けずに済んだ。自粛期間も変わらずKID BLUEを愛してくださり、ECサイトでお買い求められる方も増えた」(平野氏)

 コロナ禍の新しい生活様式のもとECが生活基盤として定着し、オンラインショップに対する需要は急速に拡大している。KID BLUEECサイトは、しばらくの間リニューアルをしていなかったというが、本腰を入れて2021年の3月にフルリニューアル。

 新たにポイント制度を導入するなど、EC利用者にメリットを感じられるよう配慮をした結果、ECのシェアが8%から18%まで伸長した。「店舗で肌触りを確認してから、ECサイトで購入するという流れもあるようだ」(平野氏)

 大切な人に、質の良いギフトを贈りたい。そんな願いが込められているのか、「友人・知人からプレゼントされてKID BLUEの存在を知った」と言う客は少なくない。毎年、3月の新生活ギフト、5月の母の日、9月の敬老の日からクリスマスにかけてギフト需要は右肩上がりに推移する。

 「付加価値が高いものにはメリットタグを付けており、ギフトとして選ばれやすい傾向にある」(平野氏)

 KID BLUE2009年に海外進出を果たしている。1号店は北京の百貨店で、日本の売場より広く、ゆったりと買い物が楽しめるのだという。現在、中国に27店舗、台湾に2店舗を展開中だが、今後の海外出店には慎重な構えだ。

 「創業時からのお客様がコロナ危機を救ってくれた。これからも真摯にものづくりをして、お客様の日常をより快適にしていきたい」(平野氏)