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植物性ヨーグルト市場、健康志向を受けて市場拡大、ユーザー増加に伴いバラエティー豊かに

健康志向を背景に売場も拡張しつつある植物性ヨーグルト。植物性ミルクの伸長とともに興味を持つ生活者も多く、国産大豆を使用した商品やアーモンドミルクを使用したヨーグルトなど、商品のラインアップも充実してきている。

植物性ミルクの人気も後押し、右肩上がりに成長続く

 近年の健康・美容ニーズから、植物性ミルクへの注目が集まっており、植物性ミルクを使用した加工食品や乳酸菌食品への需要も拡大している。

 インテージSRI+によると2021年4月から22年3月の植物性ヨーグルトカテゴリーの販売容量は対前年比2.7%増の63億996万円となった。

近年の健康・美容ニーズから、植物性ミルクへの注目が集まっており、植物性ミルクを使用した加工食品や乳酸菌食品への需要も拡大している。(i-stock/Tatyana Berkovich)

 月別の販売容量推移を見ると、ヨーグルト類は日常的に摂取する食品ということもあり、売上にそれほど大きな差は出ていないが、とくに春先から夏場にかけて需要が高くなっている。また同カテゴリーの5年間の推移を見ると毎年右肩上がりに成長しており、マーケットの拡大が見て取れる。

 欧米ではベジタリアンの増加に加え、安全や環境への配慮から動物性食品の摂取を減らしたいという意向が高まっており、植物性ミルクや植物性ミルクを使用したヨーグルトが定着してきている。日本でも健康志向から植物性食品に興味を持つ生活者が増えている。

 この状況下、豆乳を乳酸菌で発酵させてつくる「豆乳ヨーグルト」は、ヨーグルトブームに続く新たな洋日配売場の定番として、売場でも存在感をみせている。以前は健康や美容の感度が高いコアファンに支えられているカテゴリーだったが、近年は豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクといった植物性ミルクへの関心が高くなったことで、一般消費者への認知も広まってきている。

植物性ミルク売場との多カ所展開も視野に

 植物性ヨーグルトの需要拡大に伴い、各社もさまざまな打ち手を講じている。ポッカサッポロフード&ビバレッジの「SOYBIO豆乳ヨーグルト」はすっきり飲みやすい豆乳を発酵させることで、酸味が少なくクセのない味わいを実現した植物性ヨーグルト。また、血清コレステロールを低下させるはたらきを持つ大豆たんぱく質を含んだ特定保健用食品「ソヤファーム豆乳で作ったヨーグルト」も堅調に推移する。

 さらに21年にはアーモンドミルクを4種の生きた乳酸菌で発酵した植物性ヨーグルト「GreenBioアーモンドミルクヨーグルト」を発売。健康や美容意識の高いユーザーに向けて訴求している。

 マルサンアイが10年4月に発売した「豆乳グルト」は豆乳を植物由来の乳酸菌「TUA4408L」で発酵させた豆乳ヨーグルトのロングセラーブランド。22年3月1日からは、“お通じを改善する”機能性表示食品として、リニューアル発売した。ブランドサイトでは「豆乳グルト」が持つ健康面でのメリットやアレンジレシピ等を紹介している。

 また国産大豆の豆乳を使用したよりリッチな味わいの「国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト」も味や品質にこだわる中高年層にとくに好評を得ている。

 今後も伸長が期待される植物性ヨーグルトだが、トライアルを促す店頭での試食販売は、感染症対策の観点から難しい。店頭では栄養面の特長や乳由来ヨーグルトとの違い、味わいなどをPOPやボードで紹介するほか、洋日配のヨーグルト売場だけでなく植物性ミルク売場でも展開するなど多カ所展開することで消費者に気づきを与え、購買につなげていきたいところだ。