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ヨーグルト市場、コロナ特需の反動で21年は前年割れ、8月以降は回復基調

2021年のヨーグルト市場は、コロナ特需の裏年にあたるため前年割れとなった。大容量タイプのプレーンヨーグルトはほぼ前年並みだが、ドリンクヨーグルトや個食タイプは厳しい結果となった。たんぱく質を強化したヨーグルトは引き続き堅調だ。

大容量プレーンは堅調、個食タイプは厳しい状況

 KSP-POSのヨーグルトの期間通算(2021年3月~22年2月)の金額PIは、3万1766円で対前年同期比4.1%減。コロナ禍による在宅勤務や外出自粛により、2020年は家庭内消費が拡大したが、21年はその裏年にあたるため前年割れとなった。

コロナ禍による在宅勤務や外出自粛により、2020年は家庭内消費が拡大したが、21年はその裏年にあたるため前年割れとなった。(i-stock/kuppa_rock)

 カテゴリー別にみると、プレーンヨーグルトの期間通算の金額PIは6504円で同2.4%減。月別の金額PIでは、4~6月は前年の反動で前年割れとなったが、8月以降は微減もしくは横ばいで推移している。在宅機会の長期化により、大容量のプレーンヨーグルトが好調で、朝食だけでなく、昼食や夕食時にも食シーンが広がっている。なかでも健康志向を背景に伸長しているのが無脂肪タイプ。雪印メグミルクでは「ナチュレ恵megumi脂肪0」をこの春にリニューアル。使用する乳原料の配合を見直し、なめらかな食感に改良し、酸味をよりマイルドに仕立てた。

 また、たんぱく質が豊富に含まれているギリシャヨーグルトが注目を集めている。自粛生活により運動機会が減り、“コロナ太り”を気にする人にギリシャヨーグルトが選ばれているようだ。森永乳業では、昨年6月に大容量タイプの「ギリシャヨーグルトパルテノプレーン砂糖不使用280g」を発売。食シーンなども広がり、シリーズ拡大につながっている。この春には、商品特長が伝わるように、1個280gあたりのプロテイン量を明記し、“プレーン砂糖不使用”の文字をより見やすくリニューアルした。

 一方、個食タイプのフルーツヨーグルトの期間通算の金額PIは、7870円で同1.5%減。8月以降はほぼ前年並みで推移していることから堅調といえそうだ。

ドリンクヨーグルトはコロナ特需の反動で大きく前年割れ

 ドリンクヨーグルトの期間通算の金額PIは、8443円で対前年同期比9.5%減。20年はコロナ禍による健康意識の向上で、機能性ヨーグルトの需要が高まり、その反動で21年は前年割れ。とくに3~5月、12~1月は2ケタ減となった。機能性ヨーグルトはブランドによって大きく明暗が分かれた。

 ドリンクヨーグルトは機能だけではなく、おいしさでも支持されており、朝食のほか仕事や家事の合間、小腹が空いた時などに利用されている。よつ葉乳業では、北海道産生乳からつくった脱脂濃縮乳、濃縮バターミルク、クリーム、砂糖のみを使用した「北海道のむバターミルクヨーグルト」をこの春に新発売。酸味の少ないミルクのおいしさが味わえるデザートタイプののむヨーグルトだ。また、北海道産乳原料でつくったヨーグルトを濃縮することでたんぱく質を強化した「北海道のむヨーグルト朝のミルクたんぱく」を発売。主食に偏りがちな朝食に、同商品を加えることでたんぱく質が摂取できることを訴求している。

 明治では、のむヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルト」ブランドから、甘さと酸味のバランスがよい〈脂肪0〉と、低糖・低カロリータイプの〈低糖・低カロリー〉、カルシウムと鉄分を配合した〈カルシウムと鉄分〉、乳素材だけでつくった〈無添加プレーン〉を発売した。さまざまな食シーンで取り入れられるラインアップ強化で、市場を盛り上げていく。