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紙の使用量を大幅に削減した紙資材「アサヒスーパードライ エコパック」

アサヒビールは6缶パックにおける紙の使用量を大幅に削減した紙資材「エコパック」を採用した「アサヒスーパードライ エコパック」(缶350ml)を本格展開。省資源化した資材を積極的に活用し環境負荷低減に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指している。

350ml×6缶ベースで77%の紙面積削減を実現

 SDGs(持続可能な開発目標)の認知が広がり消費者の環境問題への意識が高まる中、アサヒグループでは2050年までのありたい姿として「アサヒグループ環境ビジョン2050」を策定。「気候変動」「容器包装」「農産物原料」「水資源」の4つをテーマに環境経営に取り組んでいる。

 中でも環境に配慮した容器・包装資材への取り組みには力を注いでおり、国産最軽量となる202径缶蓋テスト展開や業界最軽量の4LPETボトルなど、サプライヤーと共同開発を行っている。

上部のみを固定する紙資材を採用し、77%の紙面積削減を実現。資材に取り外し方を記載

 同社の主力ブランド「アサヒスーパードライ」等で使用される6缶パック用の紙資材については資材の軽量化を進めており、21年10月には日本初となる「エコパック」を使用した「アサヒスーパードライ エコパック」のテスト販売を行った。

 「エコパック」とは、6缶パックなど商品における缶の上部のみを固定する紙資材。従来の6缶パック資材と比べ、紙面積は350ml缶の6缶パックで77%、500ml缶の6缶パックで81%の削減が可能。紙の重量ベースでは350ml缶の6缶パックで65%、500ml缶の6缶パックで73%の削減が実現する。仮に、アサヒビールが製造する6缶パックすべてを同資材に切り替えた場合、年間の紙使用量を約8,800t、資材製造に伴うCO2排出量を7,400t*削減できる。

 「エコパック」の導入について消費者からは「ゴミが減るのが嬉しい」「思ったより頑丈で持ちやすい」など好評の声が多く挙がったほか、流通バイヤーからも「会社としてサステナビリティを推進しており、こうした取り組みに賛同したい」と、共感を得ている。

「エコパック」本格展開に合わせ外箱も環境配慮

 アサヒビールでは過去2回のテスト販売を経て、23年8月より「アサヒスーパードライ エコパック」(缶350ml)を東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、静岡県の1都10県で発売した。本格展開するにあたり、量産化に必要なパッケージング設備を茨城工場に導入したほか、11月にも吹田工場に同様の設備を導入し、2工場計で約9億円の設備投資を実施している。

6缶パックにおける紙の使用量を大幅に削減した紙資材を使用した「アサヒスーパードライ エコパック」。外箱にも環境に配慮した「エコフレカートン」を採用することで、より環境にやさしいパッケージとなった

 さらに「エコパック」の本格展開に際し、「スーパードライ」ブランドでは初となる「エコフレカートン」を採用した。「エコフレカートン」は同社開発による環境に配慮した外箱。従来の外箱と比較し、開け口部分の紙の使用面積を3.8%削減しており、店頭で商品を取り出して陳列することを想定し、開封時間の短縮や外箱を捨てる際にかさばらないよう工夫をしている。

 現在、エリア限定での展開となっている「アサヒスーパードライ エコパック」だが、同社では24年に全国発売を目指している。このタイミングに合わせオウンドメディアを活用した情報発信も行う予定だ。

 アサヒビールでは今後も省エネルギーや再生可能エネルギーの取り組みに加え、6缶パックの紙資材「エコパック」、外箱「エコフレカートン」など省資源化した資材を積極的に活用し、環境負荷低減に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指していく。

*2019年当社6缶パック全商品の出荷実績を元に算出

導入事例:ビッグ・エー「環境配慮と利便性を両立ビッグ・エーのエコロジー戦略」

環境への配慮が当たり前の時代に

───御社の環境に対する取り組みについてお聞かせください

三浦  まず、当社はイオングループの一員として、木を植える取り組みのほか、環境負荷の軽減にまつわるさまざまな施策にグループ全体で取り組んでいます。

株式会社ビッグ・エー 代表取締役社長三浦 弘氏(右)アサヒビール株式会社 首都圏広域第一支社 理事 支社長丸山 剛司氏(左)

 ディスカウントストアという業態は、価格やローコストが第一で環境配慮は二の次と思われがちなのですが、当社では地球温暖化への対応としてレジ袋有料化に創業当時から取り組むなど、環境に対する意識は早い段階から高かったように思います。

 昨今、SDGsが広く知られるようになったことで、世間でも環境への意識が高まっています。こうした状況下、環境への配慮が、「あえてやること」ではなく、当たり前の行為となっている、そうした時代がようやく来たように感じます。

───環境配慮に関するアサヒビールとの取り組みはいつ頃からでしょうか?

三浦  アサヒビール様とは「シェルフレディパッケージ」導入がきっかけで2015年以降、さまざまな取り組みを行っています。「シェルフレディパッケージ」はカッターを使わず開封できゴミが出にくい点が特長のカートンです。第1弾は手装でしたがその後工場での量産が可能となり、年を追うごとに開封しやすい仕様に改良され、現在は第4弾のカートンが通年採用となっています。

───「アサヒスーパードライ エコパック」全店導入の背景をお聞かせください。

三浦  「アサヒスーパードライ」は当社にとっても非常に大切な商品ですし、ビール類最大のブランドが環境配慮パッケージを採用するということは業界にとっても非常に大きな意味があると思っています。

 とはいえはじめにパッケージを見た時は、「CO2排出量7,400t削減、紙使用量77%削減で環境にやさしい」と言われても半信半疑でした。また缶が抜け落ちたり、破損したりしないか、缶のパッケージがむき出しになることでレジでのバーコード読み取りに支障をきたしたりしないかなど心配な点も多かった。

 しかしこうした不安についても、アサヒビール様が丁寧に説明し対応策を提案してくださったことで、結果的に全店での採用が決まりました。

エコパック導入後の売場

───導入後の反応はいかがでしょうか?

三浦  非常に好調です。導入前の懸念材料だった、缶の破損やバーコードの読み取り問題も発生せず、お客さまからのクレームも発生していません。従業員の環境意識向上にもつながっておりプラスの面が大きいですね。

ビッグ・エー、アコレで「スーパードライ350ml×6」を切り替えることによって地球環境に与える影響を算出して、オリジナルPOPをアサヒビールで作成

 また缶のパッケージがむき出しになることで、店頭での視認性もかえって高くなっています。通常の6缶パックの場合、包装部分にキャンペーンの告知などが入っていましたが、「アサヒスーパードライ」の場合、誰もが知るメガブランドということもあり、こちらは店頭のデジタルサイネージ「ABチャンネル」の活用や店内POP、チラシでの訴求で、十分に果たせると感じています。

───環境配慮に関する今後の抱負があればお聞かせください。

三浦  アサヒビール様との取り組みは「シェルフレディパッケージ」から始まり、今回のエコパックやエコフレカートンと、どんどん広がってきています。今後「アサヒスーパードライ」だけでなく、すべてのブランドに「エコパック」が導入されることを期待しています。