週刊コンビニニュース　ファミマ、個店経営の手法取り入れは奏功するか？

2019/09/03 05:08

ダイヤモンド・リテイルメディア　流通マーケティング局

1週間のコンビニに関するニュースをまとめた『週刊コンビニニュース』。フランシャイズチェーンとして成長を続けてきたCVSチェーンが近年、限定的ながら個店経営の手法を採り入れようとしている。まだ地域・地区ごとでの展開が多いと考えられるが、新生ファミリーマートが「一軒の小さな商店」を基本理念で謳ったことは、個店に裁量を持たせるステップになるかもしれない（8月27日から9月2日のニュースをまとめました）。

① ファミリーマート
“新生”ファミリーマートの基本理念策定

　ファミリーマートは9月1日、ユニー・ファミリーマートホールディングスと統合し、“新生”ファミリーマートとして生まれ変わる。新たな一歩を踏み出すに当たり、基本理念を策定した。
新しい基本理念は、コーポレートメッセージの「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のもと、「私たちが大切にする3つのこと」を新たに策定した。「これからのファミリーマートの成長をさせていく価値観」として、加盟店とともに地域の利用客から愛される店舗をつくっていきたいという想いを込めた。「私たちが大切にする3つのこと」の概要は以下のとおり。

ファミリーマートは一軒の小さな商店。人と地域に寄り添うことで進化し続ける地域密着を、本気で実現する。
顧客一人ひとりに合わせて全力を尽くす。
ファミリーマートに関わるみんなが、ひとつの商品を切り盛りする家族のように、つながっていく。「家族」が幸せである未来に貢献する。

② ローソン
国内コンビニ初のデリバリーサービス実験

Uber Japan（東京都渋谷区）が専用アプリで提供するフードデリバリーサービス「Uber Eats」を利用した店舗商品配達の実証実験を、8月29日から都内4店舗で開始した。
「Uber Eats」は、商品を短時間で指定の場所に届けられるため、ローソンでは新たなラストワンマイル（＊）の取り組みと捉えている。9月末まで都内の直営店合計13店舗へ順次拡大し、11月末まで実証実験を行う。

日本の「Uber Eats」にコンビニエンスストアが出店するのは今回のローソンが初めてで、今回の実証実験では、弁当・おにぎり・店内調理のフライドフーズ・デザートなど約100品目を扱うが、日本の「Uber Eats」では初めて日用品も扱った。ゲートシティ大崎アトリウム店、代々木八幡駅北店、新宿靖国通店、新宿若松町店の4店舗から始める。

＊ラストワンマイル･････最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのことで、利用者への商品を届ける物流の最後の区間を意味する。

③ ポプラ
8月の病院内出店が3店舗、病院店と災害時の物資供給で協定締結

　8月30日、広島県安芸郡府中町のマツダ病院内に「生活彩家マツダ病院店」をオープンした。便利な病院内コンビニとして通常のコンビニ商品のほか、院内でさまざまな医療雑貨や日用品を豊富に品揃えし、病院を利用する人、職員などに提供していく。ポプラは、8月21日に「生活彩家西広島リハビリテーション病院店」を、8月7日に「生活彩家千葉メディカルセンター店」をオープンしていて、今後も病院内、庁舎、ホテル、大学などへ積極的に出店していく。

ポプラはまた、西広島リハビリテーション病院と災害時における物資供給の協定を締結した。昨年7月に発生した西日本豪雨災害を踏まえ、病院および周辺地域が被災した際に、食品や衣料品、日用品など必要な物資を迅速に届けることを目的とした。有事の際にポプラの配送網を活用し、必要物資（商品）の運搬を行う。