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ネットスーパーの影響なし!!25生協に聞いた、コロナ後の変化と今後の戦略とは

本特集に当たり本誌では毎年恒例の生協アンケートを実施し、25生協から回答を得た。宅配を中心に需要が伸長したコロナ禍が収束し、商品値上げや「物流の2024年問題」、食品宅配競争の激化など外部環境が悪化するなか、地域生協の利用動向や現場の状況はいかに変化しているのか。リアルな現状を聞いた。

●アンケート回答生協(50音順):いわて生協、福井県民生協、こうち生協、コープあおもり、コープあきた、コープおおいた、コープかがわ、コープこうべ、コープさが、コープさっぽろ、コープしが、コープながの、コープみやざき、コープみらい(コープデリ連合会)、コープやまぐち、自然派くらぶ生協、生協しまね、パルシステム埼玉、パルシステム東京、東都生協、とくしま生協、鳥取県生協、ユーコープ、よつ葉生協、ララコープ

組合員の離反傾向も、若年層の獲得に課題

 まず、現在の組合員の加入状況について聞いた(Q1)。アンケートに回答のあった25生協の平均登録組合員数は41万2760人。事業展開エリア内での世帯加入率は31.6%となった。

 コロナ感染拡大前と比較して、現在の組合員の加入状況を聞いたところ、「増加傾向」と「減少傾向」とに大きく分かれた。

 コロナ禍で獲得した新規組合員の定着状況についても、「定着」と「定着していない」とで結果が半々に分かれた。前年の調査では、「定着している」が75%超だったことから離反傾向が強まっているようだ。

 それぞれの要因を聞くと、「定着」の場合、子育て層への手数料優遇、新規加入時の利用特典の拡大、定期的なフォロー、購入頻度の高い商品の登録促進など、さまざまな施策が奏功しているようだ。一方、「していない」理由としては、コロナ収束に伴いリアル店舗での買物が増えたほか、なかには各種コスト増による利用手数料の値上げにより、脱退数が昨年の2倍になったという厳しい回答もあった。

 Q2~Q6では、宅配事業について尋ねた。利用傾向については(Q2)、現在のサービスの平均実質利用率は83.4%で、「減少傾向」とする回答が、増加傾向をダブルスコアで上回った。

 利用の内訳では、1人当たり宅配利用高は「増加傾向」が7割以上。一方で利用頻度の最多回答は、前年は「増加傾向」だったが今年は「減少傾向」で、コロナ収束や節約志向の高まりなどの影響が出ているようだ。利用高の増加については、商品値上げの影響も強いが、カタログのページ数増加、単品訴求の強化、毎週届ける登録商品の拡充など、さまざまな施策を打っており、それらが効果を発揮したようだ。

 供給高の増加が目立つカテゴリーには、価格が高騰している「卵」や「牛乳」、時代のニーズに即した「冷凍食品」などが挙がった。減少カテゴリーでは、

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