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第20回 店舗の老朽化対策

スーパーマーケット再創造

店舗平均年齢は全フォーマット中でSMが最高

 日本リテイリングセンターが定期的に実施している「出店実態調査アンケート2019年」の結果、全フォーマットとも店舗の平均年齢の高齢化が進んでいる。

 なかでもスーパーマーケット(SM)45社の平均年齢は15年と、飛び抜けて高い。次にホームセンター19社の平均が12年1カ月、ドラッグストア(DgS)の19社平均が9年11カ月と続く(日本型スーパーストアはサンプル数が少ないのでこの統計からは除外しているが、新規出店が少ないためSMよりさらに平均値は高くなるはず)。どのフォーマットもオーバーストアで新規出店数が極端に減少しているため、今後も店舗平均年齢は高くなり続けるはずである。

 SM店舗の老朽化は深刻な問題である。しかし、新規出店がしにくいなか、各社は高額物件の小型店を増やすことに熱心で、既存の老朽化した店舗の改善・改革に取り組んでいる企業は少ない。

 老朽化が放置される原因は複数ある。まず古い店ほど周辺人口が多く、成熟したマーケットに立地しているため、何も手を打たなくてもお客が来店する傾向にある。つまり売場販売効率が高いのだ。開業当時の出店コストは今と比べて低く、しかも減価償却はとうに終わっているから家賃はかからない。したがって確実に利益を確保できる。そのため、どうしようもなくなった時に修理と部分改装をするだけで、根本的な店舗改装は行わないのだ。

 他方、おかしなことに業績の悪い店にはコストを掛ける。たとえば、

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