「業務スーパー」を展開する神戸物産(兵庫県/沼田博和社長)は、「食のSPA」のリーディングカンパニーとも言える存在だ。その名のとおり、「業務筋」の利用を意識した商品を豊富に揃える業務スーパーは、一般的な食品スーパー(SM)とは異なる使われ方がされていることが想定される。お客は業務スーパーにおいてどのような商品を購入しているのか。本稿では、消費者調査をもとに、「業務スーパー」の利用動向に迫るとともに、具体的にどのような商品が購入されているのかを分析してみたい。
利用頻度は月2~3回が最多
ソフトブレーン・フィールド(東京都/木名瀬博社長)は、全国約20万人の消費者モニターからレシートとアンケート回答を収集した購買証明付き購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)」を有し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。
今回は、神戸物産が運営する「業務スーパー」の利用動向を明らかにするべく、21年2月15~16日の2日間にわたって、全国のPOBモニター2474名を対象に、アンケート調査を実施した。
はじめに、「直近半年間で業務スーパーの店舗を利用したことがあるか」との質問に対して「ある」と回答したのは45.3%にあたる1121名であった。その半数以上が関東エリアの在住者で、単身者が約2割を占めている。
業務スーパーを利用するきっかけで最も多かったのが、「自宅の近所にできたから」(36.0%)との回答だ。近年、「業務スーパー」はテレビ番組をはじめとしたメディア露出が活発で、SNSでも広く話題を集めているものの、「メディアで注目されているから」(13.5%)、「S N Sなどをみて」(1.9%)との回答は少数であった。
直近半年間の業務スーパーの利用頻度は「月に2~3回程度」が25.0%と最も多く、「月に1回程度」(24.5%)、「週に1回程度」(21.6%)と合わせて、回答者の7割以上が「週1回以下」であった。一方、「週に4回以上」は1.7%と、極めて少数だ。
野菜の安さに支持!カルディと比較する人も
次に、「直近半年間で業務スーパーを利用したことがある」と回答した1121人に、業務スーパーで購入経験のある商品カテゴリーについて聞いてみた(図表❶)。
回答を見ると、「菓子類」が49.8%(複数回答、以下同)で最も多く、「調味料・合わせ調味料・油」(47.9%)、「豆腐・納豆・こんにゃくなど」(43.8%)に次いで、
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