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アフターコロナで生き残る店、消える店

こんにちは、成田直人です。全国的に緊急事態宣言も解除になり、少しずつ街に人通りが戻ってきましたね。「これでようやく以前のような売上に戻る」と思っている方もおられると思いますが、そう簡単ではには戻りません。今回は、「アフターコロナで生き残る店、消える店」と生き残るためにやるべきことを解説したいと思います。

marchmeena29 / istock

なぜ、売上は戻らないか?

 なぜ、売上は以前の水準に戻らないのでしょうか?

 それは今回のコロナ禍で、多くの人がオンラインの便利さに気付いてしまったからです。

 もちろん、アフターコロナに消費活動は一瞬爆発します。みんな実店舗でお金を使う習慣を制限されたわけですから、買い物をするお客様は増えるのです。現に、千葉県木更津市にある「三井アウトレットパーク木更津」は5月29日から営業再開したのですが、、オープン前から駐車場は埋まり、店前で並ぶお客様で溢れていました。

 しかし、この恩恵を受け続けられる商業施設・店舗は限られると思っています。なぜなら、これまでオンラインショッピングをしたことがない人がオンラインショッピングをはじめたからです。「安い」「便利」ということに気づいたのです。実店舗ビジネスの難易度は上がっていくのです。

 では、「アフターコロナで生き残る店と消える店」の違いは何でしょうか?今後の先行きを象徴する出来事が、先日、居酒屋大手のワタミが発表した65店舗閉店というニュースです。「立地」「低価格」という従来の実店舗の強みは今後なくなっていくのです。つまり、これまで勝ち続けられたビジネスモデルでは生き残れない時代に突入したのです。特に飲食業はこの煽りを受けることでしょう。

顧客を集めるための資本よりも
顧客が集まる評判が重要な時代に突入

 これまでの勝ち方は「新規集客コストと利益のバランス」にありました。駅近に出店すればそれだけ家賃も上がりコストは嵩みます。しかし、コストを上回る集客(利益)があればOKでした。残念ながら今は、飲食店を選ぶ際に「駅近だから」「安いから」というよりもGoogle マップ上で近隣の飲食店を探し、口コミをチェックしてから高評価の店を予約するという流れに変わりました。

 この流れは他の業界にも派生するでしょう。飲食店をGoogle マップで調べるようになると自然と他の店もGoogle マップ上で調べるようになります。スーパーもガソリンスタンドもホームセンターも同様です。「あっここにある!」と検索するだけでなく、「口コミ評価」も選択基準に今後はなります。

 今ここまでお読みいただいて、「それでも近場で済ませるでしょう」と思うかもしれませんが、近隣に口コミ3点(30件)の店とちょっと離れたところに口コミ4.9(2000件)の店があり、「子連れに優しい」と高評価の店があったらファミリー層は後者を選択すると思いませんか?まだマップ上での口コミ評価の絶対数が多くないので評判で顧客が来る、という視点にピンときていないかもしれません。しかし、当社クライアントの多くは各店舗300〜1400件の口コミと平均4.5点以上の口コミを獲得しているところが多い(地域で圧倒的評価)のですが、日に日に集客に好影響を与えていることを実感しています。

  しかも、ここにかかるお金はゼロ円です。まだチラシでお客様が集められている店はもちろん続けていただきながらも口コミやSNSの顧客の声を意識しながら集客の導線を再検討することが重要だと思っていただけたら嬉しいです。

 次回は、良い口コミが集まる店づくりの方法についてお話しします。どうぞお楽しみに!

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。