3年間で既存店客数8%増、売上10%増! サミット竹野浩樹社長が実行した改革とは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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今、食品スーパー業界中が熱視線を送る絶好調企業がある。東京都を中心に115店を展開するサミット(東京都/竹野浩樹社長)だ。特筆されるのは、激戦が繰り広げられる首都圏において客数を伸ばしている点だ。2019年3月期までの3年で既存店客数は8%増加。それにより既存店売上高は同10%も増加しているのである。なぜサミットにはお客が集まるのか――。

サミットは2019年3月期までの3年で、既存店客数は8%増加。それにより既存店売上高は同10%も増加している
サミットは2019年3月期までの3年で既存店客数は8%増加。それにより既存店売上高は同10%も増加している

行動指針を明確化 自律型の組織へ

 同社の快進撃は16年6月、親会社である住友商事出身の竹野浩樹氏の社長就任後から始まる。「小売が好き」と公言し、住友商事でも小売畑を歩んできた人物で、その竹野社長がかねてより温めてきた新しい経営施策を実践したことが、現在のサミットの大躍進につながっているのである。

目覚ましいスピードでサミットの改革を進める竹野社長。「まずは自身の姿勢を示すことが大事」と語り、店舗にも足しげく通い、パート・アルバイト従業員との拳と拳を合わせるサミット独自のあいさつ「グータッチ」を交わす
目覚ましいスピードでサミットの改革を進める竹野社長。「まずは自身の姿勢を示すことが大事」と語り、店舗にも足しげく通い、パート・アルバイト従業員とも拳と合わせるサミット独自のあいさつ「グータッチ」を交わす

 では、具体的にどのようなことを行ったのか。

 まず、自律的に考え行動できる、自律型組織への変革だ。

 これを実現するべく竹野社長が導入したのが「成長ストーリー」だ。これは竹野社長が考案した独自のフレームワークで、①「集客策を進化させ続ける」、②「オリジナリティの発揮で様々なニーズに対応する」、③「ハイタッチな接客で期待を超えるサービスを提供する」、④「サミットファンになってもらう」の4つの要素で構成される。

 これらを順に、繰り返し達成していけば、業績を向上させる好循環が生まれるということを示したもので、これにより従業員に今行うべきことを明確に伝え、行動の指針となるようにして、自発性を引き出していったのだ。

竹野社長がまず進めたのが、自律型組織への変革だ。サミットのめざす姿を具現化したモデル店とする「王子桜田通り店」(東京都北区)は、19年3月期の売上高と客数が、ともに前期比で20%以上伸びる成長を見せている
竹野社長がまず進めたのが、自律型組織への変革だ。サミットのめざす姿を具現化したモデル店とする「王子桜田通り店」(東京都北区)は、19年3月期の売上高と客数が、ともに前期比で20%以上伸びる成長を見せている

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