メニュー

実践!流通英会話19 ”Upscale store”は実はアメリカ英語、イギリス英語だと何というでしょう

海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第19回もコーヒーブレイクの続き。いよいよウォルマート・スーパーセンター対策でかつて行った失敗が明らかになります。ここでは先の展開を促す便利な表現を学びましょう。(これまでの全スキットはこちら

Photo by ablokhin from iStock

今回のシーンと登場人物

やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ディスカウンターとの競合対策を学ぶために、コーディネーターの大森剛と共に、ダンデライオン・マーケットを訪問した。2人は、レイノルズ取締役と共に旗艦店に到着。ストーン店長の案内で、売場を視察する。途中、コーヒーに誘われ、今までの試行錯誤の過程を聴くことになった。

 

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話

レイノルズ:As I told you, we renovated this store right before the grand opening of the Wal-Mart Supercenter in 2008.
お話ししたとおり、2008年にウォルマート・スーパーセンターが開店する直前に、 この店を改装しました。

山田:Could you tell us the process until renovation was completed?
改装が完了するまでの過程をお話しいただけますか。

レイノルズ:Of course.(初級) In order to decide the image of the new store, we studied some other supermarkets successfully competing with Wal-Mart Supercenters.
もちろんです。新しい店のイメージを決めるために、ウォルマート・スーパーセンター とうまく戦っているスーパーマーケットを研究しました。

ストーン:Although each retailer has a different strategy, we were convinced that we couldn’t compete with Wal-Mart in price over the long term.
それぞれの小売企業は異なる戦略を持っていますが、当社が価格でウォルマート と長期間競うことはできないと確信しました。

山田:So, what did you do? (上級)
それで、どうしたのですか。

レイノルズ:We decided to change this store to an upscale store.
この店をアップスケールな店に変えることを決定しました。

 

解説

前々回からストーン店長のオフィスで会談中です。いよいよレイノルズ取締役とストーン店長からウォルマート対策の試行錯誤について話を聴くことになりました。相手が今回のような少し長いストーリーを話し始めたとき、相手の話に非常に興味を持っていることを示すためには、どう対応したらいいでしょうか。相槌というのは、簡単そうですが、日本語でも、そして英語でも、案外難しいものです。ついついYeahUh-huhなどの簡単な相槌を繰り返してしまいがちですが、ときどきは質問文を差し挟んで話をうながしましょう。今回のスキットでは、山田社長の言葉に注目してください。

 

このセンテンスを覚えよう!

Of course. : 「~してもいいですか」や「~していただけませんか」 といった相手からの問いかけに対して、YesやNo以外で答える方法 はたくさんあります。そのひとつが、Scene 8でご紹介したSureで す。Sureと同じように用いるのが、「もちろんです」の意味のOf courseです。

So, what did you do? : 「それで」「それから、どうしたの」と話を 促すときの常套句です。直訳すると「それで、あなた(あなたたち)は 何をしましたか」となり、相手の次なる行動を訊ねています。このバリ エーションはいろいろあります。たとえば、「それで、あなたはなんて 言ったの」と問うときは、So, what did you say?となります。

 

KEYWORD 一般的な用語

process : 「仕事の手順」「過程」の意。余談ですが、processには 「食品の保存などのために施す加工」という意味もあります。ご存知、 プロセスチーズprocess cheeseのプロセスです。

decide : 「決める」「決定する」の意味。このスキットでは2回登場 します。スキット最後の文章をご覧ください。decided to ~とありま す。このように「~することを決める」という場合には、decideの後 にtoを、その後に動詞の原形を持ってきます。 

KEYWORD 専門的な用語

retailer : 「小売業者」「小売商人」「小売商店」の意。この意味から もお気づきのとおり、企業を指すばかりでなく、人を指す場合、店舗 を指す場合があります。

upscale : これも、もはや日本でもおなじみの業界用語ですね。ア ップスケール。「高級所得層向けの」「高級市場向けの」という意味 です。転じて「(店の内外装を)高級化して、イメージアップを図った」 という意味にも使います。upscaleを使うのはアメリカで、イギリス ではupmarketを使います。