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そごう・西武、脱百貨店加速も=ヨドバシ同居でブランド撤退懸念

そごう・西武池袋本店
(時事通信社)

 そごう・西武の親会社が1日、セブン&アイ・ホールディングスから米投資ファンドに変わった。ファンドはそごう・西武の再建に向け、旗艦店などへの家電量販「ヨドバシカメラ」出店で、売り場のてこ入れを図る計画だ。一方、入居する海外高級ブランドからは撤退示唆の声も聞かれる。そごう・西武が従来の「百貨店」のまま存続できるか、不透明感が漂う。

 「大阪や秋葉原のように、地元の人に喜んでもらえる店にできると思う」。フォートレスと組むヨドバシホールディングス(東京)の藤沢昭和社長は1日、記者団にこう強調した。

 雇用維持を懸念した労働組合によるストライキで前日に全館臨時休業という異例の事態に陥った西武池袋本店(東京都豊島区)は、1年後をめどに改装オープンする予定。売り場の半分はヨドバシになる見通しだ。

 その分、百貨店売り場の大幅縮小は免れない。池袋本店1階にある「ルイ・ヴィトン」をはじめ海外高級ブランドは、「大衆的な家電量販店とはイメージを異にする」として、こぞって撤退をほのめかしているという。そごう・西武の関係者は「富裕層ら顧客が離れる」と警戒を強める。

 百貨店業界はインターネット通販や「ユニクロ」などの専門店の台頭により、厳しい経営環境が続いている。セブン&アイがそごう・西武を手放したのも、4期連続赤字という業績不振から抜け出せなかったためだ。池袋本店近くに住む女性は、「若い人たちは百貨店に行かない。こんなに大きな売り場が必要なのか」と疑問を呈す。

 J・フロントリテイリングの「GINZA SIX(ギンザシックス)」(東京都中央区)など、自前の売り場にこだわらず、専門店が集積する「テナント方式」に注力して成功している百貨店もある。顧客の心をつかむ独自の新しい「百貨店」像を見いだせるかが、そごう・西武の生き残りの条件となる。