メニュー

小売業界におけるAI・ディープラーニングの活用
その最前線と海外の事例

小売業界におけるAI・ディープラーニングの活用 その最前線と海外の事例

エヌビディア合同会社
オートノマスマシン事業部
ビジネスデベロップメントマネージャー
中根 正雄 氏

 

消費者行動の変化など小売業の課題解決に対応

NVIDIAは、GPU を世界ではじめて開発し、その優れた演算能力は、PC ゲーミングを始めとしたグラフィックス、スーパーコンピューターでの科学技術計算、コンピューター ビジョンや AI に広く活用されている。また、ライブラリ、プラットフォーム ソフトウェア、アプリケーション フレームワークを含む開発プラットフォームも提供することで、小売、製造、輸送、ヘルスケアなど各種産業におけるコンピューティングの課題解決を加速させる原動力となっている。

NVIDIAが小売業向けに提供しているソリューションは、万引き防止など資産保護にも関連するビデオ解析向けの「NVIDIA Metropolis」、データサイエンスや機械学習のワークフローを高速化する「NVIDIA RAPIDS」、3Dデザイン コラボレーションとリアルタイム シミュレーションのための「NVIDIA Omniverse」、店舗や倉庫でのロボティクスの活用に向けた「NVIDIA Isaac」、スピーチAIのための「NVIDIA Riva」、レコメンダ―システムを構築するための「NVIDIA Merlin」といったアプリケーションフレームワーク。これらで消費者行動の変化、プレッシャーにさらされているサプライチェーン、リアルタイムの俊敏性に関連する様々な小売業の課題解決につなげている。

小売業でのAIユースケースで多いのはインテリジェントストア、外食向けのインテリジェントQSR(クイックサービスレストラン)、インテリジェントサプライチェーン、オムニチャネルマネジメントの4領域である。

インテリジェントストアや自動流通センターの取り組みが増加中

インテリジェントストアでは、店舗にエッジサーバーを設置し、資産保護や在庫切れの監視、ストア分析などに活用する。資産保護系のシステム、アダプティブ広告とプロモーション、店舗の在庫管理、フリクションレスショッピング、AR体験、メタバースといった先駆的な取り組みも可能になる。

事例で多いのは店舗内にカメラやセンサーを配置して得られたデータを人ではなく機械つまりAIが判断する資産保護、在庫切れやヒートマッピング、買物客・従業員追跡などを行うストア分析、自律的なショッピングを実現する自律チェックアウトなどである。とくに資産保護ではAIの活用で大きな効果を上げている。カルフールではスタートアップ企業のAI技術を活用し顧客のフリクションレスショッピングを実現した。

インテリジェントサプライチェーンは需要予測のスピードと精度の向上、ロボットによる自動化などスマートウェアハウスやデリバリーセンターの実現、ルート最適化など、ラストマイル配送の実現を支援している。需要予測はウォルマートが導入し、予測精度の3ポイント向上につなげた。ドミノピザではピザの発注が来そうなタイミングなど、注文準備のための需要予測を組み込んだ。注文準備予測が75%から95%に改善した。

自動流通センターにAIを導入したKIONグループは、センター内の異常を検知しダウンタイムを無くし渋滞や枯渇を軽減している。クローガーはオンラインスーパー英国OCADOの事業展開で、オンライン受注に対応するフルフィルメントセンターを開設しNVIDIAのシステムを採用。シームレスで効率的な注文スループットと配送を可能にしている。オムニチャネル管理ではアパレルのECサイトでAIがスタイリストになってレコメンデーションを行い、スピーディに顧客に合ったコーディネートを提案する事例もある。

とくに北米では先駆的な取り組みが増えているが、日本の小売業界向けにも海外事例を参考にしながらDX推進、AI導入をサポートしていく。

またイベントの様子はこちらからもご覧いただけます。

マクニカレポート記事: https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/nvidia/141179/

<問い合わせ先>
株式会社マクニカ クラビスカンパニー NVIDIA製品担当 
Email:clvinfo@macnica.co.jp
URL:https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/support/contact/