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2023年初の新店はドミナントを埋めるレギュラー店! 「ヤオコー加須店」開店日レポート

ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は2023年1月17日、埼玉県加須(かぞ)市に「ヤオコー加須店」(以下、加須店)をオープンした。埼玉県を地盤とする同社だが、加須市への出店は初となる。ヤオコーの2023年初の新規出店となる同店ではどのような商品がみられたのか。総菜を中心に、同店の商品政策を見ていこう。

ヤオコー加須店の外観

イトーヨーカドー跡地に出店!

 ヤオコーが今回オープンした加須店は、東武鉄道伊勢崎線「加須」駅から直線距離で約800mの場所にある。加須市は、埼玉県の北東部に位置し、茨城県と栃木県の県境と接する。

 近隣の自社店舗としては、加須店から北西約6.5kmに「ヤオコー羽生店」(埼玉県羽生市)、南約6.4kmに「ヤオコー久喜菖蒲店」などがあるものの、いずれも若干離れた場所にある。ヤオコーにとっては埼玉県北東部ドミナントの空白地帯を埋める出店となる。

 出店場所は、2021年に閉店した「イトーヨーカドー加須店」の跡地。旧店をスクラップしての新規出店だ。敷地内には、100円ショップの「ダイソー」、ドラッグストアの「ウエルシア」、衣料品店の「パシオス」(2023年2月開店予定)などが入り、近隣型ショッピングセンターを形成する。

 同店周辺は戸建て住宅や個人商店が建ち並ぶ住宅街が広がる。足元1km商圏の人口は、約5000世帯/約1万人と若干少ないが、クルマ利用が多いという地域特性を踏まえ、クルマで10分圏内の広域から集客を図りたい考えだ。

 売場面積は、ヤオコーでは標準規模となる597坪。取り扱いSKU数は、生鮮が1190、グロサリーが1万3000、デリカが310となっている。

注目のデリカ新商品!

 これまで新規出店のたびに新商品を投入してきたヤオコー。加須店もいくつか新商品がみられた。ここからは加須店の総菜MDをピックアップし、写真とともにみていきたい。

 まず注目したいのが、加須店が初導入となる新商品「彩り十彩のたわら箱」(498円)だ。ヤオコーが提案する米のブランド「幸米」を使用した「おむすび」、肉総菜ブランド「幸唐」の鶏もも唐揚げ、店内で焼き上げる「鉄板巻上げ厚焼玉子」、ナスの揚げ浸しや煮物が1つになっており、商品名のとおり、見た目の色鮮やかさが目を引く。オープン日は平台で専用POPを添えて販売していた。

新商品の「彩り十彩のたわら箱」
専用POPを添えて売場内で目立たせている

 「彩り十彩のたわら箱」の隣では、加須店出店にあわせてリニューアルしたという「煮込みロースかつ重」(498円)を販売する。火入れを工夫することで肉の柔らかさを追求したほか、玉ねぎのザクザクとした食感を楽しめるようにカット方法を変更したという。丼にあわせてお米もやや固めに炊いているとのことだ。

製法をリニューアルしたという「煮込みロースかつ重」

 同じく米飯では、「デミハンバーグ&かにクリームコロッケ弁当」(498円)を販売。「ハンバーグ」と「かにクリームコロッケ」という定番メニューを詰め込んだ人気商品だ。こちらも「幸米」を使用している。

「人気No.1肉弁当」だという「デミハンバーグ&かにクリームコロッケ弁当」

 壁面では、直近の新店では標準装備となっている鉄板焼コーナーを展開する。前出の「彩り十彩のたわら箱」に具材として入る「鉄板巻き上げ厚焼玉子」も同コーナーで製造する。

新店では定番となった鉄板焼コーナー。スタッフが調理している様子を間近で見ることができる

 同じく壁面の寿司コーナーでは、冷蔵ケースに各種握り寿司のほか、たっぷりと入った具材が特徴の「海鮮太巻」を揃える。断面を見せることで具材のボリューム感をうまく表現している。また、寿司コーナーの一角では「まぐろと山芋おくら」「たこキムチ」「寿司屋のばくだん」など魚総菜ブランド「漁火」のおつまみも陳列していた。

たっぷりと入った具材が特徴の「具凄!3種の海鮮太巻」

 そのほか、購入後にレンジで温めて調理する、いわゆる「レンジアップ商品」も豊富に揃える。ヤオコーでは2021年より自社工場で製造する総菜を「eat!YAOKO」ブランドとして展開している。店内で調理した華やかな総菜が注目されがちだが、こうしたレンジアップ商品のおいしさを追求しているのもヤオコーの強みだ。

自社工場で製造する総菜ブランド「eat!」

スイーツ&ベーカリーにも要注目!

 スイーツにも力を入れる。スイーツコーナーではフルーツを使用した各種デザートのほか、「自社製寄せプリン」(298円)を揃える。デリカ生鮮センターで製造したプリンを店内で丁寧に寄せて盛り付けた商品だ。ボリュームもあり、見た目で値ごろを感じられる商品となっている。

 また2月から全店で販売するという「生チョコタルト」も先行販売しており、ホールサイズ(1160円)と1/4カット(298円)を並べていた。

2月から全店展開するという「生チョコタルト」

 総菜売場中央平台では、ヤオコー看板商品であるおはぎも販売。おはぎに使用している粒あんだけを「eat!YAOKO」ブランドで販売しており、専用POPで「あんバタートースト」「あんみつ」「おしるこ」などの食べ方を提案していた。

ヤオコー看板商品のおはぎは平台で展開
おはぎに使用する粒あんだけを販売する

 インストアベーカリーでもユニークな商品が見られ、開店日は、世界各地のおいしいものをバーガーにする「世界を旅するバーガー」として「スパイシーケバブバーガー」(298円)を数量限定で販売。トルコの国民食であるケバブをイメージして、ケイジャンソースとオーロラソースでスパイシーに仕上げた鶏もも肉を野菜とサンドした商品だ。

インストアベーカリーで販売していた「スパイシーケバブバーガー」

 以上、加須店の総菜MDをみてきた。2023年のヤオコーの新店で注目したいのは、なんといっても来月にオープン予定の「ヤオコートナリエ宇都宮店」(栃木県宇都宮市)だ。宇都宮はヤオコーのドミナントエリアから遠く離れた“飛び地”であり、東北の雄・ヨークベニマル(福島県)がドミナントを築いていることでも知られる。ヤオコーにとって新たなチャレンジとなる同店ではどんな新MDが見られるのか。注目だ。

(店舗概要)
開店日 2023年1月17日
営業時間 9:00~21:45
所在地 埼玉県加須市大門町20-58
店長 佐野昌弘
売場面積1973㎡(597坪)
売上目標 19億円(初年度)
駐車台数 319台
駐輪台数 200台
従業員数 正社員16人、パートナー・ヘルパー・アルバイト100人(延べ人数)