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セブン&アイ新業態コンフォートマーケット2号店を最速レポート! 1号店との違いは!?

2019年8月に登場したセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)の新型スーパーマーケット「COMFORT MARKET(コンフォートマーケット)」。本日、その2号店が東京都大田区にオープンした。セブン&アイが水面下で実験を進めるコンフォートマーケット。2号店ではどのような店づくりをしているのか。1号店との違いは何か。
(3月28日10:45に一部内容と写真を追加しています)

コンフォートマーケット西馬込店の外観

1号店から2.2kmの至近に出店!

 20年3月27日、セブン&アイの100%子会社のフォーキャスト(東京都)が東京都大田区に「コンフォートマーケット西馬込店」(以下、西馬込店)をオープンした。19年8月出店の「コンフォートマーケット中延店」(東京都品川区:以下、中延店)に続く、同フォーマットの2号店となる。

 西馬込店は、都営浅草線「西馬込」駅南口出口を出てすぐの場所にある。交通量の多い幹線道路「第二京浜国道」沿いにあり、周辺は商業施設や住宅が立ち並ぶ。建物は4層構造で1~2階部分が店舗、3~4階部分は保育園(外部運営)が入る。

 商圏は店舗から半径500m~1km圏内を想定する。同社広報によれば、1号店の中延店と比べると商圏人口は若干少ないものの、競合状況などを踏まえ総合的に判断したうえで、出店を決めたという。

 ちなみに、西馬込店は中延店から2.2kmほどしか離れていない。このドミナント体制を生かし、西馬込店では、精肉やミールキットの一部商品において、中延店で製造したものを西馬込店に輸送して販売している。

 売場面積は2フロア合計で550㎡。1号店の中延店(566㎡)よりも若干小ぶりだ。一方、SKU数は約5200と中延店と比べるとやや多いという。「中延店では現在も実験を繰り返しており、現在のSKU数は5000程度となっている。西馬込店でも今後検証を続けていく方針で、今回はグロサリーを中心に品揃えを拡充している」(フォーキャスト広報)。

内装を一新!売場配置も一部変更

 1号店との違いは何か。大きく変わったのは内装だ。中延店の内装は白と黒を基調とした都会的な印象のデザインであったのに対し、西馬込店では、木目調の床を採用し、天井は白塗りではなく、配管が見えるシースルータイプとしている。同社広報によれば、「毎日買い物に来てもらえるような、『親しみをやすさ』を演出する」のがねらいだという。

店舗1階入口から見た売り場。総菜のラウンドケースと青果売場が目に飛び込んでくる

 売場配置も一部変更している。最大の変化は、中延店では2階に配置していた青果売場を西馬込店では1階の入口付近に配置している点だ。「総菜などと同様に青果も購買頻度が高い商品。お客さまの買い回りやすさを勘案し、このようなレイアウトを採用した」(同社広報)。

西馬込店の売場レイアウト(同店配布パンフレットより)

 実際に入口から売場を眺めると、中延店でも採用したラウンド什器による総菜売場と青果売場が目に飛び込んでくる。1号店と比べると、一般的な食品スーパーに近づいた印象だ。なお、この変更に伴い、中延店では1階に配置していた酒類売場は、西馬込店では2階に移動している。

2階グロサリー売場。中延店オープン時よりも陳列は高い

 SKUの増加に伴って陳列方法も変更しており、2階グロサリー売場を見ると、中延店と比べてゴンドラは高く、通路幅も狭く感じられる。商品が迫ってくるような“量感”を志向した売場づくりに挑戦しているようだ。

中延店でヒットしているという「ミニプラムトマト」(本体価格248円)

 商品政策は基本的に1号店を踏襲しているようだ。中延店と同様、調達・物流ともにセブン&アイグループのものは使用していないそうで、「セブンプレミアム」の扱いもない。ただ、新商品は一部導入しており、1階ベーカリー売場で提供する焼き立てピザはその一例。500℃で焼成できる専用のピザ窯を今回初めて導入し、「マルゲリータピザ」「てり焼きチキンピザ」など直径30cmのピザを480~580円と値ごろ感のある価格で提供する。

1階にあるベーカリー売場。中延店よりもアイテム数は増えている

2020年3月から新体制がスタート

 1号店である中延店の状況について質問をいくつかぶつけてみたものの、同社広報からは「検証中につき、公表できない」との回答しか得られなかった。ただ、当初想定していた有職者のニーズだけでなく、「子育て世帯をはじめとした幅広い世代のお客さまから支持されている」(同社広報)という。

 なお、今回の西馬込店の出店は、1号店オープンの際に決定していたものではないそうだ。3号店の出店についても未定であり、当面はこの2店舗で実験を行っていくとしている。

コンフォートマーケット西馬込店

 2020年3月からは有坂順一氏に代わり、セブン-イレブン・ジャパン出身でFrancfranc執行役員店舗開発部長などを経験した経歴を持つ末次秀生氏がフォーキャスト社長に就任、新体制がスタートしている。

 同社広報によれば、フォーキャストの社員数は現在60人超。現在、フォーキャストにはセブン&アイグループのスーパーマーケットやコンビニエンスストアを出身とする人材も在籍しているが、他社スーパー経験者を中心とした外部の人材の方が多いという。1号店出店の際に発していた「まったく新しい発想で、これからの消費者ニーズに対応できる店を創造する」という方針は現在も継続しているようだ。

 コンフォートマーケットの注目度は高い。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌で毎年開催している、直近1年間で業界に影響を与えた店舗を決める投票企画「STORE OF THE YEAR(ストアオブザイヤー)」においても、店舗部門で5位に入賞するなど、多くの業界関係者の注目を集めている。

 コンフォートマーケットは「新しいスーパーマーケット」の在り方を見せてくれるのだろうか。1号店と同様に、コンフォートマーケット2号店も注目店舗であることは間違いなさそうだ。

(店舗概要)
店名 コンフォートマーケット西馬込店
住所 東京都大田区西馬込 2–21–3
アクセス  都営浅草線「西馬込駅」南口から徒歩1分
営業時間 平日 10:00~22:45 土日祝日 8:45~22:00
売場面積 550㎡
延床面積 1457㎡
駐車場 提携駐車場2カ所合計11台
駐輪場 36台(内 駐輪機26台)
従業員数 正社員7人、パート・アルバイト22人(8時間換算)
レジ台数12台有人(レジ5台、セルフレジ2台、キャッシュレス専用セルフレジ5台)