メニュー

JMホールディングス体制がスタート! 売場から探るジャパンミートの強さ

2020年2月に持株会社体制に移行し、新たなスタートを切ったジャパンミート(茨城県/坂本智幸社長)。売上高1132億円(19年7月期)と中堅チェーンの位置づけだが、ジャパンミートの全国的な知名度はそれほど高くない。ジャパンミートとはどのような食品スーパーなのだろうか。同社の強さを探るため、東京都下にある大型店「ジャパンミート瑞穂店」(東京都西多摩郡)を訪ねた。
調査日:2月23日、本文中の価格はすべて本体価格

※現在、ジャパンミートは酒類小売業免許の申請中で、2月1日以降、当該免許が取得できるまでの間は、純粋持株会社のJMホールディングス(茨城県/境正博社長)が、ジャパンミートより各店舗の不動産などを賃借して、酒類売場を運営。酒類売場以外は、JMホールディングスよりジャパンミートが転借を受けて運営している。

ジャパンミート瑞穂店の外観

2020年2月から新体制がスタート

 茨城県地盤の食品スーパー、ジャパンミートの新体制がスタートした。

 2020年2月、ジャパンミートは持株会社体制へ移行し、JMホールディングスに商号変更。新説の事業会社であるジャパンミートが食品スーパー事業を引き継いだ。

 JMホールディングス傘下には、都市型ホールセール・食品スーパー運営の花正(東京都/富澤夏樹社長)、北関東で食品スーパーを展開するパワーマート(茨城県/黒田賢一社長)などもぶら下がる。

 中核事業会社であるジャパンミートの主力フォーマット「生鮮館」は、ホームセンター「ジョイフル本田」内をメーンに展開する大型店。現在は、茨城、千葉、栃木、群馬、埼玉、東京と関東一体に13店舗、北海道に1店舗を展開する。

 そのほか、ジャパンミートでは単独店フォーマットである「卸売市場」を9店舗、埼玉県東部エリアで食肉卸売センター「MEAT Meet」4店舗を展開。そのほか、JMホールディングス傘下の事業会社であるパワーマートが地域密着型食品スーパー「パワーマート」4店舗、外食事業会社のジャパンデリカ(茨城県/中島勝利社長)が焼肉店「焼肉や漫遊亭」17店舗の運営をそれぞれ担う。

 ジャパンミートとはどのような食品スーパーなのか。東京都1号店である「ジャパンミート瑞穂店」の売場を見ていこう。

 

詳細なレイアウト分析から見えてくる、ジャパンミートの強さ

 ジャパンミート瑞穂店は、東京都八王子市と群馬県高崎市をつなぐJR東日本「八高」線の「箱根ケ崎」駅からクルマで約9分の場所にある。交通量の多いバイパス道路「新青梅街道」に沿いにある、東京ドーム2.2個ぶんの敷地面積を誇る大型ホームセンター「ジョイフル本田瑞穂店」内にある店舗だ。

 売場は約600坪(歩測)と、ジャパンミートの中では大型店の位置付けと思われる。壁面に青果、精肉、総菜、鮮魚、日配、平場中央で菓子、加工食品、酒を配置している。

ジャパンミート瑞穂店の売場レイアウト図

お客からの信頼厚い青果売場

 主要部門ごとに売場を見ていこう。入口の果実売場では「とちおとめ」「弥生ひめ」など398~780円の価格帯のイチゴを販売。バナナ、グレープフルーツ、キウイといった輸入果実も充実させている。

 野菜は2尺の平台で近郊野菜を扱う。「キャベツLサイズ」「白菜1/4」「長ネギ3本1組」「生椎茸1パック」(各99円)などの日替わり販促商品をエンドに配置。日替わりのバラ売り販促も行っており、2~3品目を99円で提供する。調査日はバラ売りの販促を強化しており、北海道ジャガイモ(15円)、北海道「たまねぎ」茨城・千葉県ニンジン(各29円)でそれぞれ販売。野菜、果実へのお客の信頼は厚いようで、購入者は多かった。

オリジナル商品を豊富に揃える精肉売場

 続いて、看板部門である精肉売場を見ていく。品揃えは、店内加工とセンター加工をうまく組み合わせているようだ。調査日は、メキシコ産牛「サーロインステーキ」(1枚300円)を目玉商品として打ち出しており、催事売場で試食を実施しながら売り込みをかけていた。

 輸入牛はカナダ産の「肩ロースジャンボステーキ」(100g198円)や米国産「牛タン焼肉用」(100g598円)を販売。国産牛は福島県産「会津牛」をメーンに、「会津牛焼肉切り落とし」(180g1000円)、「会津牛ロースうす切り」(200g1580円)などを揃える。

 豚肉は「バラうす切350g」(520円)などスペイン産イベリコ豚コーナー展開。沖縄県産「琉香豚」の扱いもあったが、品揃えの軸は輸入豚であるようだ。鶏肉は「国産若鶏100g」89円)、「国産むね肉100g」59円)などを目玉商品で提供。輸入鶏は「ブラジル産」を導入で「若鳥モモ肉2枚」260円)で販売。

 加工肉では、「スーパーウインナー500g」(298円)、「お肉屋さんのハンバーグ360g」(298円)などのオリジナル商品を扱う。冷凍肉を強化していると思われ、オリジナル「国産若鳥むね肉2kg」(880円)のほか、ホルモンや豚足などの扱いもある。そのほか、「お肉屋さんの生餃子30個」(298円)、「イベリコ豚肉餃子30個」(398円)などのチルドのオリジナル商品も精肉売場で扱う。

オリジナル商品の「ベーコン切り落とし」(294円)

絞り込んだ品揃えの鮮魚売場

 続いて鮮魚では、壁面28尺の売場で寿司、細巻、刺身などを展開する。「寿司」は「9貫」(880円、980円)に「18貫」(1680円、1980円)と絞り込んだ品揃えではあるものの、「サーモン握り5貫」(398円)、「生えび握り5貫」(498円)、「ほたて握り5貫」(498円)「鮭尽くし」(680円)など単一ネタの商品も揃えていた。

鮮魚売場で販売する寿司。ネタが大ぶりで見た目のインパクトが強い商品だ

 刺身も品揃えを絞っていて、「5点盛」(980円)などをベーシックな商品が並ぶ。丸物はパックで販売しており、「金目鯛」(1280円)、「真鯛」(398円)、「スルメイカ1杯」(398円)、「真いわし6尾」(398円)、「真あじ2尾」(298円)など豊富なラインアップとしている。

 塩干は、壁面48尺の売場で展開。「鮭」「しらす」「明太子」「もずく」など売れ筋中心の品揃えとなっている。20尺の冷凍塩干コーナーは、「ホッケ」「秋刀魚」「さば文化干」「あじ干物」「塩とば」など258~498円の商品を豊富に揃える。冷凍調理品の扱いも幅広く、「グラタン」「コロッケ」「いかフライ」「鰻蒲焼」「エビ餃子」「焼売」などを販売する。

 後編では、総菜、日配、加工食品などの売場を見ていく。(後編に続く)

(店舗概要)
所在地 東京都西多摩郡瑞穂町700-1
開店年月 2007年1月
売場面積 約600坪(歩測)
営業時間 9:00~20:00
駐車台数 3020台(ジョイフル本田瑞穂店)