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兵庫県三田市のニュータウン中心地に出店! 「ロピア兵庫三田店」の売場を解説

ロピア(神奈川県/高木勇輔代表)は3月15日、2022年2店目の出店となる、「ロピア兵庫三田店」(兵庫県三田市:以下、三田店)をオープンした。兵庫県3店舗目となる店舗ではどのような売場づくりが行われているのか。現地に足を運んだ。
調査日=3月19~20日 ※本文中の価格はすべて本体価格

ロピア兵庫三田店の外観

北摂三田ニュータウンの中心地に出店

 阪神地区の北側に位置する、兵庫県三田(さんだ)市は自然豊かな田園都市で、人口約10万9000人のうち半数近くが1980年代から開発された北摂三田ニュータウンに居住しているとされる。その北摂三田ニュータウンの中心にある北摂三田ウッディタウン、神戸電鉄公園都市線「ウッディタウン中央」駅から直線距離で約200mの場所に、ロピア兵庫三田店はオープンした。

 「尼崎島忠ホームズ店」「神戸岩岡店」に続き、兵庫3店舗目となる三田店(なお、ロピアは5月に「新長田店」を出店しており、本稿執筆時点で兵庫県内の店舗数は4店舗となっている)。神戸市へのアクセスに優れた立地ではあるものの、公園都市線沿線の人口はほかのエリアと比較するとやや少ないとみられ、ロピアとしても厳しい環境と踏んだうえでの出店であると思われる。

 売場面積約980坪(歩測)と、ロピアとしてはやや大型となる三田店は、通路幅も広く、ロピア既存店と比較すると全体的にゆったりとした印象を受ける。売場は、ロピアの大きな特徴である生鮮4部門が一体となった「生鮮一体型」の配置を採用している。

 特徴的だったのは非生鮮売場で、ロピア独自の価格訴求販促スタイルではなく、一般的な食品スーパーのような標準スタイルの売場としていた点だ。従来のディスカウントスタイルよりも管理しやすい棚陳列とすることで売場からは「安定感」のようなものが感じられた。

青果売場は京都ヨドバシ店に類似?

 主要部門別に売場を見ていくと、導入部の青果では、入口右サイド48尺のスペースに冷蔵ケースを配置。ケース底に氷を敷き詰めるなど、京都ヨドバシ店と似た売場演出を行っているのが目を引いた。商品では、ブロッコリー(95円)、ほうれん草(100円)などのほか、「聖護院大根」(200円)、「九条ネギ」(120円)など関西エリアではおなじみの京野菜も販売する。

 40尺の対面売場では、イチゴが大量陳列されており、調査日は開店時恒例の超目玉商品として、「あまおう」(2パック600円、4パック1000円)や「恋みのり」(1箱4パック800円)などを販売していた。そのほか、平場ではレタス(1玉95円)、キュウリ(5本100円)など売れ筋の野菜を並べていた。

 総菜は商品を絞り込んだコンパクトの品揃えの売場となっている。壁面32尺のスペースで、デザート、ピザ、フライ類、唐揚げ、グラタンなどを配置する。

 看板商品のピザは時間帯別に商品を分けており、ランチタイムは「プルコギピザ」(580円)、「ベーコンピザ」(500円)など、夕方以降のディナータイムは「マルゲリータ」(880円)、「クアトロフォルマッジ」(780円)などを揃える。バンドル販売に力を入れており、ランチタイム時は14時まで限定で、ピザよりどり3枚1444円、5枚2222円で販売していた。

総菜売場で販売していた「人気のロコモコ丼」(398円)

 ピザコーナー横16尺のスペースでは、「ヤンニョムチキン」(100g240円)、「若鳥もも唐揚げ」(5枚888円)、「キャベツメンチカツ」(3個330円)など売れ筋の総菜を販売していた。

 平場は冷蔵ケース24尺で、「ポテトサラダ」「シーフードサラダ」のほか新メニューとみられる「梅香る鮭茶漬け」(500円)などを販売。米飯は「キンパ6切」(498円)、「手巻き寿司」(5本入り498円)、「ロコモコ丼」(398円)など個性的な商品を販売する。

 総菜はピザと唐揚げを軸とした絞り込んだラインナップで、「売れる商品を売る」という姿勢が貫かれているように感じた。

鮮魚では「刺身」売場を新たに導入

 続く鮮魚では、壁面24尺のスペースを“丸物ゾーン”とし、「金目鯛」(1尾1000円)、「真カレイ」(1尾300円)、「太刀魚」(1尾500円)、「ヤリイカ」(2杯790円)などを揃えている。担当者は鮮魚売場の屋号「魚萬」の法被を着て、大きな声を出して接客するなど、売場は活気にあふれていた。

 売場中央8尺のスペースでは、新たな試みとして刺身コーナーを導入していた。「金目鯛」「本まぐろ上トロ」(各990円)、「本まぐろ赤身」(690円)、「2点盛」(690円、790円)、「やりいか」「ぶり(養殖)」「かつおたたき」(各590円)、「もんごイカ」「サーモン」(各500円)など24品目を揃える。

新たな試みとして刺身コーナーを導入。写真は「刺身盛り」(690円)

 その隣の8尺のスペースは、「大和郡山店」(奈良県大和郡山市)から導入した「オーダー寿司」を導入しており、「大とろ」「金目鯛」(各300円)、「中トロ」「うに」(各250円)、「かんぱち」「生えび」(各200円)、「とり貝」[生サーモン」(各150円)、「すしえび」100円など約30品目を販売する。

専門性を追求した精肉売場

 市場のような“ざわめき”が感じられる鮮魚の先にあるのは精肉売場だ。精肉は約80坪(歩測)の広々としたスペースで売場を展開する。天井も高く、鮮魚と比較すると落ち着いた雰囲気の空間となっており、お客はゆっくりと商品を選んでいる様子だった。こうしたメリハリのある売場選出もロピアならではと言っていい。

 売場を見ていくと、鮮魚との境目に自社製加工肉の試食販売コーナーを設け、多くのお客が立ち止まって試食していた。壁面44尺のスペースは牛肉コーナーで、「ブロック」「ステーキ」「しゃぶしゃぶ・すき焼」「黒毛和牛」「みなもと牛」「輸入牛」という並びになっている。

「穀物肥育牛モモステーキ豪州産(しんたま)」は100g218円の超特価で提供する

 正面壁面48尺は「焼肉」「豚肉」「ひき肉」を配置。豚肉は「ロピア三元豚」をメインにセンター納品商品で対応。輸入豚は「スペイン」「カナダ」「メキシコ」「イタリア」などを揃える。鶏肉は平場で売場を展開しており、鹿児島県産「桜島どり」を店内加工で提供するほか、こだわり商品として「博多地鶏」も扱う。

 オーダー寿司コーナーや今回新規導入した刺身コーナーなど、最近のロピアの新店では鮮魚が精肉と並ぶ“売場の顔”になりつつある。だが、やはり専門性あふれる品揃えの精肉こそロピアの真骨頂であり、売場の要と言っていい。

 後編では、日配、加工食品、酒類などの売場を見ていく。


(店舗概要)
開店日 2022年3月15日
所在地 兵庫県三田市けやき台1-7
営業時間 9:00~19:00
売場面積 980坪(歩測)