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ヘアカラー市場、白髪用・黒髪用ともに回復基調、インバウンド消費も拡大傾向

コロナ禍が落ちついたことで外出の機会も増え、白髪用・黒髪用ともに市場が回復基調にあるヘアカラーのカテゴリー。

また昨今の外国人観光客の増加に伴い、インバウンド消費も拡大傾向にある。

ヘアカラーのマーケットで売上の多く占める白髪用のカラーリング剤は、各メーカーが新商品を投入し、白髪ケアの主要カテゴリーとして市場の拡大に貢献している(i-stock/Artem Makovskyi)

手軽で使いやすいカラートリートメントが伸長

 KSP-POSによると、白髪用カラーリング剤カテゴリーの2024年4月から25年3月の期間通算の金額PIは、対前年比1.3%減の721.2円、数量PIは同3.9%減の0.97と、金額、数量ともに微減となった。

 月別の金額PIの動向を見ると、24年4月から7月までは前年に対しプラスで推移していたが、8月以降はマイナスへ転じている。

 ヘアカラーのマーケットは売上の多くを白髪用のカラーリング剤が占めている。白髪用カラーリング剤はクリームタイプを中心に泡タイプや液状などさまざまな剤形があるが、直近ではカラートリートメントやカラーシャンプー、手軽で使いやすい一時着色料といったサブカテゴリーが伸長している。

 とくに白髪用のカラートリートメントは各メーカーが新商品を投入しており、白髪ケアの主要カテゴリーとして市場の拡大に貢献している。

 ダリヤでは白髪用ヘアカラーブランド「サロン ド プロ」から春の新商品として「サロン ド プロ ドレッシーカラートリートメント」を発売。同品はダリヤ独自のドレッシーカラー処方により、一度で濃厚な色味に仕上げ、髪色も長く楽しめる点が特長。植物性オイルを配合し、しっとりと艶やかな仕上がりを実現する。

黒髪用は明るい髪色のカラーリング剤が人気に

 一方、黒髪用カラーリング剤カテゴリーの2024年4月から25年3月の期間通算の金額PIは、対前年比2.1%増の96.92円、数量PIは同1.5%減の0.13となった。

 月別の金額PIの動向を見ると、24年5月および7~9月は前年を割り込んだものの、その他の月ではプラスで推移しており、中でも24年12月は対前年同月比で10.8%増と好調だった。

 ダリヤの黒髪用ヘアカラーリング剤「パルティ カラーリングミルク」は、たれずに密着するなめらかでとろりとした乳液が特長の商品。牛乳パック型の外箱や、ムードカラーと呼ばれる独自のネーミングも10~20代の若年女性の人気を集めている。

 黒髪用ヘアカラーのトレンドを見ると、昨今のK-POP人気や髪色不問の就業先が増えた影響もあり、以前と比べ明るい髪色を好む若年層が増えている。今期は春らしい新色の「まなざしアッシュ」「本音ピンク」を追加。今春よりパッケージデザインを変更し、モデルのビジュアルを大きくすることで店頭での視認性を高めている。

 またヘアケア&ヘアメイクブランド「モモリ」からは、「モモリ ふわっとさら髪ドライシャンプー(ももの紅茶とネロリの香り)」を発売している。

 ヘアカラーリング剤の主な購入先はドラッグストアやバラエティストアだが、ECサイトでの購入も増加傾向にある。またアフターコロナに入ってからは外国人観光客の増加に伴い、白髪用・黒髪用ともにインバウンド消費も拡大している。

 ヘアカラーリング剤は同メーカーのブランドでもコンセプト別にさまざまな剤形・色種の商品を出しており、自分に合った商品を選び出すことが難しいカテゴリーでもある。カラー見本をはじめ剤形別の特徴や正しい使い方、シーン別の訴求により、来店客の購買意欲を高めていきたい。

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