ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は3月20日、大型ホームセンター内に「ロピア吹田千里丘店」(大阪府吹田市:以下、吹田千里丘店)を出店した。
同店では、首都圏で築いた売場づくりのノウハウを生かしながら、関西市場への対応を意識した商品政策(MD)が随所に見られた。ロピアはいかに独自性を保ちつつ、関西市場の特性をとらえた売場づくりをしようとしているのか。
※調査日:2025年4月9~10日 文中の価格は調査日のもの、本体価格
“ついで買い”を促すロピア流売場づくり
吹田千里丘店は、大型ホームセンター「スーパービバホーム吹田千里丘店」(大阪府吹田市)の1階にある。千里丘は第二種住居地域に指定された静かな住宅街だ。1世帯あたりの人員は比較的多く、ファミリー世帯が集積しているとみられる。
周辺には「マックスバリュ吹田千里丘店」や「マツゲン吹田インター青葉丘店」など、食品スーパー(SM)が複数営業しており、ロピアはこうした競合環境のなかで独自性を追求した売場づくりとMDで存在感を示している。
●所在地: 大阪府吹田市千里丘北1-2
●営業時間:10:00~20:00
●駐車場: あり
●アクセス: JR東海道本線「千里丘」駅からクルマで7分
開業から約1カ月が経過した同店を訪れると、平日午前中にもかかわらず多くの買物客で賑わいを見せていた。カートに買物かごを3個積み上げ、商品を隙間なく詰め込む来店客の姿も見られ、買上点数や客単価の高さがうかがえた。商圏内での支持を着実に獲得し、すでに繁盛店としての地位を確立しつつあるようだ。
入口すぐの青果売場では、レタス(1玉)やほうれん草(1袋)、ブロッコリー(1株)などを各99円と2ケタ売価で販売していた。野菜は購買頻度の高いカテゴリーであり、SMにおいては“集客の入口”とされる。ロピアはその定石に沿いながらも、視認性の高い平台に価格を訴求する商品を集約することで、購買意欲を効果的に喚起していた。
また、リンゴの売場では「この時期のりんごはご注意ください」と記したPOPが掲示されていた。「中が茶色になって」いた場合は交換すると呼びかけるとともに、商品の状態を丁寧に説明しており、オーケー(神奈川県)の「オネストカード」を彷彿とさせた。ロピアが独自性を堅持しながらも、他社の優れた取り組みを学ぶ柔軟性を持っていることがうかがえる。
青果売場に隣接するかたちでスイーツコーナーが展開されている点にも注目したい。一般的なSMでは、スイーツは洋日配売場の一角に設けられることが多いが、同店では青果と鮮魚のあいだ、生鮮売場の第1マグネットに配置している。視認性の高い位置にアイテム数を絞り込んで商品を配し、来店客の目に自然と留まるようにしていた。
新商品の「アップルポップのりんご飴(プレーン)」(639円)では、「老若男女が絶対にハマる進化系りんご飴! !」と記したPOPを掲示。こうした演出もロピアならではといえる。
スイーツに続く総菜売場は、フェースはそれほど広くないものの、関東の店舗では見られない新メニューを複数展開していた。たとえば「うなぎひつまぶし丼風」(990円)には、ナショナルブランド商品である「永谷園・松茸の味お吸いもの」をセットで添えるなど、これまでにない商品づくりが見られた。
また、平日の午前中にもかかわらず
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