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ノンアルコール飲料市場、コロナ禍以降健康志向を背景に伸長、RTDタイプやノンアルワインなど味わいも多様化

健康意識の高まりを背景に需要が拡大するノンアルコール飲料のカテゴリー。定番のビールテイストのほか、RTDタイプやワインタイプ、カクテルタイプなど味わいも多様化している。「サントリー ノンアルコール飲料レポート2023」の調査結果から、同カテゴリーのトレンドを見ていこう。

コロナ禍以降自宅での飲用機会や頻度が増加

 「サントリー ノンアルコール飲料レポート2023」によると、ノンアルコール飲料カテゴリー全体の2022年の推定市場規模は前年比2%増の4084万ケースで、10年前と比較し1.4倍となった。また23年は対前年比3%減の3978万ケースで着地するとみられる【図表1】

 続いて、ノンアルコール飲料の飲用経験を質問したところ、50.4%が「飲んだことがある」と回答。また飲用経験者に飲用場所を聞いたところ、78.4%が「自宅内で飲んだことがある」と回答しており、コロナ禍前の19年と比較し、自宅で飲んだことがある人の割合が6.1ポイント(pt)上昇している。

健康意識の高まりだけでなく、ノンアルコール飲料の飲用量が増えた理由に味の良さや種類の豊富さもあがってきている(写真はイメージ、iStockよりDariia Chernenko)
 次に自宅でのノンアルコール飲料飲用頻度については、「週に1日以上」が22.3%、「月1日以上週1日未満」が16.2%と、合計38.5%が「月に1日以上」飲んでいることがわかった。コロナ禍前の19年と比較し、「週1日以上」は4.4pt、「月1日以上(週1日以上含む)」は4.7pt上昇しており、家飲みの機会が増えるにつれノンアルコール飲料の飲用頻度も高まっていると推察される。

 またノンアルコール飲料を「月に1日以上飲んでいる」と回答した人に「1年前に比べ、ノンアルコール飲料の飲用量が増えたと思うか」を聞いたところ、半数以上が「増えたと思う」と回答。その理由として、「おいしくなったから」が41.1%と最も高く、次に「種類(バリエーション)が増えたから」(21.1%)、「健康を気にするようになったから」(20.4%)と続いている【図表2】

 さらにノンアルコール飲料を月1日以上飲んでいる人に、この1年で飲んだノンアルコール飲料の種類を聞いたところ、「ビールテイスト」(82.9%)が最も多く、「レモンサワーテイスト」(48.6%)、「チューハイテイスト(レモンサワーテイスト以外)」(38.7%)、「ワインテイスト」(31.4%)、「梅酒テイスト」(29.9%)と続いている。

バラエティ感のある品揃えでトライアルを促進する

 運転をする予定のある時や休肝日など、アルコールを摂取できない際の代替品のイメージが強かったノンアルコール飲料だが、近年は日中のリフレッシュやランチタイムなど、幅広いシーンで飲用されている。

 パナバックではドイツ産の脱アルコールビール「ヴェリタスブロイ」をはじめ、本格派のノンアルコールワイン「ヴェリタス」シリーズや、脱アルコール スパークリングワインの「カプリース」、無醗酵ワイングレープジュースの「ベルビニョー」の販売に注力。特に「ヴェリタス」はぶどう品種の味わいの特徴が感じられ、飲酒の可否に関わらずパーティーでの乾杯や料理とのペアリングを純粋に楽しみたい時にも重宝する。

 ノンアルコール飲料のカテゴリーは現状ビールテイストが主軸だが、近年はRTDテイストやワインテイスト、カクテルテイストなど、ビール以外のフレーバーも増え、ラインアップも多様化している。店頭でもバラエティ感のある品揃えを打ち出すことで来店客に気づきを与え、ノンアルコール飲料のトライアルを促進していきたい。