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ハム・ソーセージ市場、23年の市場は回復基調 家飲みのおつまみ需要が下支え

ここ数年、コロナ禍や原材料の高騰で、ハム・ソーセージ市場は前年割れが続いていたが、23年の市場は回復基調にある。お弁当や料理素材としての活用のほか、コロナ禍で定着した家飲みのおつまみ需要が拡大して、市場は活性化している。

フレーバーソーセージやおつまみソーセージが好調

 KSP-POSによると畜肉ソーセージの期間通算(2023年1月~12月)の金額PIは、1万8285円で対前年同期比0.2%減、数量PIは58.37で同2.5%減と、ほぼ前年並みの着地となった。23年は原材料や物流コストの高騰などで、2回価格改定を行った。ソーセージの平均価格は前年よりも2.2%アップ。4月の価格改定以降の金額PIは横ばいから微減で推移しており、9月以降もほぼ前年並みとなった。

コロナ禍や原材料の高騰で、ハム・ソーセージ市場は前年割れが続いていたが、23年の市場は回復基調にある(写真はイメージ、i-stock/kazuhide isoe)

 ソーセージは、朝食やお弁当商材としてのニーズが安定しているのに加え、家飲みのおつまみとして需要を下支え。各社ではフレーバー展開に加え、電子レンジ調理可能の包材でおつまみ需要を盛り上げた。日本ハムでは、お酒や気分に合わせてさまざまな味と食感が楽しめるおつまみ加工肉「つぶざくBAR」シリーズを新発売。そのままでもレンジ調理しても簡単に楽しめるおつまみとなっている。

 丸大食品では昨年、「燻製屋」ブランドで企業コラボを実施。チーズや唐辛子などを加えたソーセージを展開し、若年層を取り込み、ブランド全体を底上げした。

 一方、畜肉ハムの期間通算の金額PIは、8670円で対前年同期比0.4%減、数量PIは33.24で同2.4%減。畜肉ハムも前年並みの着地となった。日本ハムでは、「シャウエッセン」のお肉でつくったあらびき感が楽しめるポークスライス「シャウスライス」を新発売。丸大食品では、一般商品に比べて25%の減塩を実現した「おいしい減塩25%」を新発売。余計なものは使わず、肉本来のおいしさを追求しているので、塩分が気になる人はもちろん、一般の人もターゲットに訴求する。

麺類のトッピングとして、焼豚需要がアップ

 焼豚の期間通算の金額PIは、1665円で対前年同期比0.5%増。1月~6月まで前年を上回って推移している。在宅勤務の昼食として一食完結型のチルドや冷凍ラーメンが人気で、そのトッピングとして焼豚が利用されている。

 丸大食品ではこの春に、麺類のトッピングとして開発した「具のっけ亭」シリーズを発売。風味づけのにんにくが食欲をそそる「厚切りチャーシュー」は、1枚当たり20gで厚みがしっかりあるので、満足できる食べ応えだ。ラーメンのトッピングに特化した商品は、チルド売場での関連販売も好評で、今後さらに商品が増えることが予想される。

 一方、ベーコンの期間通算の金額PIは、4954円で同4%減。さまざまな料理に活用しやすいベーコンだが、値上げの影響もあり前年割れとなった。各社では食卓登場頻度アップをめざしてレシピ提案に力を入れている。

 加工肉はロングセラーブランドが多く、50代以上のシニア層が中心のカテゴリーで、若年層を取り込むことが課題となっている。そのため各社では、フレーバーソーセージやおつまみソーセージなど、若年層を取り込む商品を提案し、市場の活性化を図っている。