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売上16%増、直取も開始!大量仕入れ大量に売り切るタチヤの青果戦略

DCS231215特集 大

バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長:以下、バローHD)傘下のタチヤ(愛知県/武田大輔社長)は店舗ごとに仕入れと販売を行う個店経営を強みとし、生鮮特化型の食品スーパー(SM)を東海3県で展開する。異常気象で青果の生育不良が起こるなか、タチヤは仕入れ量、品質、価格の安定を図るべく、調達先の拡大に乗り出した。

個店経営により、社員に大きく権限を譲渡

 タチヤは青果小売業を祖業とし、青果の売上高構成比は全店ベースで野菜が22.9%、果物が14.2%の合計37.1%を占める。平均的なSMの場合、青果の売上高構成比は14%程度(「スーパーマーケット販売統計調査2022年 年間実績確報版」)であることからも、同社の構成比の高さがよくわかる。タチヤは青果部門を集客部門および競争部門と位置づけており、23年3月期における青果部門の売上高は対前期比約16%増の101億9700万円となった。

一番店の「タチヤみなと店」(愛知県名古屋市)

 タチヤ執行役員の舩木拓氏は同社の青果部門における商品政策(MD)について「最大の特徴は個店仕入れにより、担当者が価値のある商品を見極めて自ら売ることだ」と話す。タチヤは店舗の仕入れ担当者が市場での商品の買いつけから売場づくりまですべてを担っている。

タチヤ執行役員舩木拓氏

 担当者は名古屋中央卸売市場をはじめとする7市場を使い分け、日々の仕入れを行う。本来SMのバイヤーは仕入れに際して本部に属して全店の品揃えを見ていくが、タチヤでは仕入れ担当が店ごとに所属しており、個店ごとの商品の売れ行き、客層と商圏ニーズを見極めたうえで仕入れを行っている。たとえば、春菊の売れ行きが悪い店舗であれば、春菊を無理に仕入れない、外国人が多い地域ではチンゲン菜やネギがよく売れるため通常よりも多く仕入れるといった風に各店の個性を鑑みた品揃えにしている。舩木氏は「当社は店舗ごとに顧客層が大きく変わるため、本部だけで仕入れを決めていては、それぞれのニーズへのきめ細かな対応は難しい」と説明する。

 仕入れた商品は、バンドル販売を行ったり、状況に応じてタイムセールを行うなど売上と利益を最大化するための

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