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パスタ&パスタソース市場、簡便性が高く一食完結型メニューがテレワークのランチとして需要増

パスタ&パスタソース市場は堅調に推移している。常温保存で簡単に調理ができ、一食完結型のパスタメニューはテレワークのランチとして食卓登場頻度が高まっている。またパスタソースは、あえるだけの簡便性の高い商品が市場を牽引している。

スパゲティ、マカロニともに金額PIは好調に推移

 KSP-POSデータのスパゲティの期間通算(2022年8月~23年7月)の金額PIは、2684円で対前年同期比8.3%増、数量PIは11.54で同5.9%減。価格改定により、金額PIでは前年を上回ったが数量PIでは前年割れとなった。パスタはコロナ禍の内食需要の拡大で堅調に推移しており、とくにテレワークのランチとしての需要が拡大。常温保存で簡単に調理でき、一食完結型のパスタはランチに最適だ。

常温保存で簡単に調理ができ、一食完結型のパスタメニューはテレワークのランチとして食卓登場頻度が高まっている(hirobirock/i-stock)

 パスタで市場をリードしているのが、調理時間が短い早ゆでタイプで、電子レンジでの調理が広がっている。お湯をわかす手間や洗い物が減らせるため、今後も電子レンジ調理は広がることが予想される。

 一方、マカロニの期間通算の金額PIは、506円で同3.9%増、数量PIは4.25で同4.8%減。マカロニはコロナ前からやや縮小傾向にあり、価格改定で金額ベースでは前年を上回ったが、数量ベースでは前年割れとなった。マカロニも時短調理、簡便調理に対するニーズが高くなっており、早ゆでタイプが中心となっている。日清製粉ウェルナではこの秋に「マ・マー早ゆでマカロニ」シリーズを全品電子レンジ調理対応へとリニューアル。スパゲティの電子レンジでの調理経験に比べ、マカロニはまだまだ低いため、同社ではパッケージに「レンジでもおいしい」というメッセージを入れたほか、裏面でも電子レンジでの調理方法をわかりやすく訴求した。電子レンジ調理でより簡便性を追求することで、マカロニの使用頻度アップをめざす。

簡便性の高いあえるタイプが市場をリード

 粉末・ペーストのパスタソースの期間通算の金額PIは、1133円で対前年同期比4.8%増。レトルトソースの期間通算の金額PIは1813円で同6.8%増となった。パスタソースもパスタと同様に金額PIでは堅調な推移となった。6月の金額PIが高いのは、TVの情報番組で日清製粉ウェルナの「マ・マー」ブランドのパスタソースが取り上げられたことが需要拡大につながっている。とくに、ゆでたパスタと炒めるだけの「マ・マー 具入りケチャッピーナポリタン」は、大きく伸長した。簡便性と汎用性の高さでファミリー層から支持されている。

 パスタソースのなかでも簡便ニーズに対応した「あえるタイプ」が市場を牽引。テレワークの時間をかけられないランチなどに、早ゆでスパゲティとあえるパスタソースを活用するケースが増えているようだ。定番のメニューだけでなく、バリエーションが広がっており、付加価値タイプなども登場している。

 また、個食ニーズに対応したレトルトソースも好調。日清製粉ウェルナの「青の洞窟Piccolino」シリーズは、袋のままでの電子レンジ調理が可能になり、内容量を120gに設定。従来品では多いと感じる女性やシニア層などをターゲットに訴求している。パスタソースは簡便性に加え、「ちょっと贅沢な気分が味わえる」付加価値商品を求める人が増えており、今後さらにニーズの多様化が進むことが予想される。