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マヨネーズ市場、価格改定の影響で金額PIは2ケタ増、使い方提案でさらなる需要アップを

家庭内調理機会の増加により、マヨネーズ市場は拡大したが、コロナ特需が一巡したことに加え、価格改定により、数量ベースでは厳しい結果となった。その中でも健康訴求型マヨネーズは堅調だ。引き続き、万能調味料として訴求することでマヨネーズの使用頻度アップを図ることが重要となる。

各社のプロモーションにより、マヨネーズの活用シーン拡大

 KSP-POSデータのマヨネーズの期間通算(2022年4月~23年3月)の金額PIは、4832円で対前年同期比10.5%増と伸長したが、数量PIは20.64で同4.4%減となった。昨年は原料である食用油の価格高騰に加え、物流費が上昇したことによる値上げで数量PIは下がったものの、金額では前年を上回る結果となった。食品の値上げラッシュにより、駆け込み需要は小さいと思われるが、10月の値上げ前の9月の金額PIは同20.3%増、数量PIは同11.3%増と大きく伸長した。

引き続き、万能調味料として訴求することでマヨネーズの使用頻度アップを図ることが重要となる。

 マヨネーズ市場はコロナ以降、内食率の増加が追い風で順調に拡大したが、感染拡大が落ち着き始めたことで外食が増え、家庭内消費は減少傾向にある。ただ、コロナ前の19年と比較すれば確実にベースアップしていることから、家庭でのマヨネーズの活用シーンが広がっているといえそうだ。キユーピーでは、マヨネーズに調味料や食材を合わせてつくる「合わせマヨ」、油の代わりにマヨネーズを使う「マヨソテー」、マヨネーズ焼レシピや裏ワザレシピを訴求した「マヨネーズマジック」など、幅広い使い方を紹介しており、マヨソテーはテレビCMでも訴求している。

 マヨネーズはサラダだけでなく、万能調味料として活用できることが一般に知られつつあるが、今後も引き続き、使い方を広げていくことが重要となる。

健康ニーズに対応した健康訴求型は堅調に推移

 健康志向の高まりにより、堅調に推移しているのが健康訴求型マヨネーズ。昨年発売30周年を迎えた「キユーピーハーフ」は、TVCMの投下やプロモーションを展開し、需要アップを図った。

 加えてここ数年、好調に推移しているのがアマニ油を使ったマヨネーズ。キユーピーの血圧が高めの人向けの機能性表示食品「キユーピー アマニ油マヨネーズ」やニップンの「ニップン アマニ油入りマヨネーズ」などがラインアップされている。アマニ油を使用している人が、より手軽に日常の食事に取り入れやすいマヨネーズに移行していることが予想される。

 また、BMIが高めの人に向けた機能性表示食品の「キユーピーフィッテ」、コレステロールを下げるのが特長の特定保健用食品の味の素「ピュアセレクト®サラリア®」など、健康ニーズに合わせたラインアップが広がっている。キユーピーではマヨネーズとドレッシングを同じブランドで展開し、シリーズ全体でプロモーションを行っている。

 さらにボリュームは小さいものの堅調に拡大しているのが、卵不使用の「キユーピー エッグケア(卵不使用)」。卵アレルギーの人だけでなく、コレステロールを気にする人からも支持され、購買層を確実に広げている。健康に対するニーズは今後ますます高まることが予想されるため、健康訴求タイプの拡大に期待が寄せられている。

 高病原性鳥インフルエンザ流行に伴う鶏卵の供給不足の影響で、鶏卵価格が上昇しており、これを受けて今年4月にもマヨネーズの価格改定が行われた。こうした状況はしばらく続くことから、マヨネーズ市場は厳しい状況が予想される。