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韓流ブームや内食需要増を受け「スンドゥブの素」の間口・奥行きともに拡大

日本の家庭に定着しつつある韓国の家庭料理のスンドゥブ。豆腐と卵で簡単につくれることから、長引く自粛生活中の食事として活用されている。間口・奥行きともに広がっているスンドゥブの素は流通業界からもさらなる拡大に期待が寄せられている。

丸大食品「スンドゥブ」が圧倒的なシェアでトップ

 在宅勤務の浸透や外出自粛などにより、内食化が進行していることに加え、ドラマやK-POPなどの韓流ブームを追い風に韓国の定番料理のスンドゥブが人気だ。唐辛子のカプサイシン効果に加え、豆腐を使うためにヘルシーであることから、食卓登場頻度がアップしている。手軽に本格的なスンドゥブがつくれるスンドゥブの素も好調で、昨年は新規ユーザーを獲得して需要を伸ばしている。

在宅勤務の浸透や外出自粛などにより、内食化が進行していることに加え、ドラマやK-POPなどの韓流ブームを追い風に韓国の定番料理のスンドゥブが人気となっている。 i-stock/bonchan

 KSP-POSデータのスンドゥブカテゴリーの販売金額構成比ランキング(2020年1月~12月)では、丸大食品の「スンドゥブ マイルド」がシェア32%とトップで、「スンドゥブ 辛口」(22.6%)が続く。レギュラー2商品だけでも54.6%のシェアを獲得する圧倒的な強さを誇っている。前年から1.8ポイントシェアがアップした。

 また9位と12位には、個食タイプの「スンドゥブ」(170g×3)のマイルドと辛口が入った。電子レンジ調理が可能なので、単身者はもちろん、時間差で食事をする家族にも好評だ。

 そのほか、昨年発売した「海老スンドゥブ」と、「牡蠣スンドゥブ」がランクイン。ベースのだしを海老と牡蠣に変えた、ひと味違うスンドゥブで、牡蠣や海老、あさりなどを加えるとさらにおいしく仕上がる。豆腐売場に加え、鮮魚売場の活性化につながっている。

ランキング3位から7位までシェアは僅差

 ランキング3位には、鶏白湯をベースにほたてだし、あさりだし、オキアミ塩辛を合わせた、モランボンの「濃厚スンドゥブチゲ用スープ辛口」が入った。4位、5位には日本水産の「ニッスイ スンドゥブチゲの素」がランクイン。あさり、ほたて、かつおの3種の魚介だしと野菜の旨味にねりごまを加えた。7位には、あさりとビーフのだしをベースに3種類の唐辛子とにんにくをバランスよくブレンドした、エスビー食品の「S&B菜館スンドゥブチゲの素」が続く。3位から7位までシェアはほとんど差がないため、入れ替わりは激しくなっている。

 そのほか、美山の「スンドゥブ」、エバラ食品の「プチッと鍋 スンドゥブチゲ」、ダイショーの「赤いスンドゥブチゲスープ」などがランクインしている。

 夏のスタミナ料理としても人気のスンドゥブだが、最需要期は秋冬であるため、食材が少なく手軽につくれる鍋として売場で提案していきたいところ。今年は丸大食品の「スンドゥブ」が発売15周年めということで、さまざまなプロモーションを展開。とくにまだスンドゥブを食べたことのない若年層に向けてSNSなどを通して情報を拡散している。トップブランドの露出が高まることから、今年はさらに拡大することが期待されている。