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高品質で低価格、PB化粧品のイメージを変えるトップバリュセレクト「グラマティカル」 開発責任者に聞くこだわりと強みとは

イオングループのプライベートブランド(PB)の一つ「トップバリュ セレクト」に、有名化粧品ブランドにも引けを取らないこだわりと原料で作られたスキンケアシリーズがあることをご存知だろうか。多くの人が持つPB化粧品へのイメージを覆す「GLAMATICAL(以下、グラマティカル)」の開発秘話を、イオントップバリュ(千葉県/柴田英二社長)商品開発本部H&BC商品部マネージャーの田上里輪氏に聞いた。

開発責任者こだわりの「原液シリーズ」

 グラマティカルは2014年9月に誕生した「年齢にゆらがないしなやかな強さのある肌」をめざしたブランドだ。現在に至るまで化粧水、乳液などの基礎化粧品から、美白化粧品、エイジングケア化粧品など多くを発売してきたが、中でも2015年3月に発売された「原液シリーズ」は、開発責任者である田上氏が社内の反対を振り切って発売までこぎつけたこだわりのアイテムだ。

 田上氏は、メディカルコスメのパイオニア、ドクターシーラボ(東京都/黒木昭彦社長)でも人気商品の開発を行っていた経歴を持ち、自らを「原料マニア」と称するほど化粧品原料へのこだわりが強い人物。そんな田上氏が、「メーカーでは実現できない、もっと手頃な価格で実感のある、究極のスキンケアを」との思いで世に送り出したのが、前述の「原液シリーズ」だ。

 では、「原液シリーズ」とは何なのか。たとえば、美容液として販売されている商品には、ビタミンC、ヒアルロン酸、コラーゲンなど、数多くの成分が少量ずつ配合されているのが通常だ。対して原液化粧品は、上記の成分をそれぞれ単一の商品として販売するもの。それぞれ別の効能を持つ成分を、集中的に高濃度で使用することで、年代や個人の肌質に合わせたピンポイントでのスキンケアが可能になる。これをシリーズ化し、現在10アイテムとなったのが、グラマティカルの「原液シリーズ」だ。

高品質で低価格、その秘訣は?

 原液化粧品自体は他社からも発売されているが、グラマティカルの原液シリーズは、その品質と低価格で他を圧倒している。たとえば同じプラセンタエキスでも、原料によってその効能が異なることは珍しくないため、エビデンスやデータを確実に分析して「最も効果が期待できる」と判断できたものだけを使用しているという。「原料マニア」である田上氏ならではのこだわりだ。

 このように厳選した原料を、原料メーカーが製造している原料に一切手を加えずそのまま容器に詰めているのが「原液シリーズ」。しかし、このやり方では売価が高くなりすぎてしまうのが普通だという。ここを解決するのがPBの強みだ。直販のメリットを生かし、より高品質な原液を低価格で販売することを可能にしている。実際に、原液シリーズの本体価格は1200円〜3800円と手頃で、継続して使用しやすいものになっている。

年代・性別・悩みを問わず対応可能

 原液シリーズの新顔として6月1日に登場した「吸着型ヒアルロン酸」は、通常のヒアルロン酸よりも流れ落ちにくい、高い吸着力を実現した商品。マイナスに帯電している皮膚や髪の表面に対し、プラスの荷電を付加した吸着型ヒアルロン酸は、従来のヒアルロン酸に比べて約17倍の吸着性を持つという。もちろんその分保湿能力も高く、肌だけでなく髪の保湿にも使用できるのが特徴だ。さらに、汗や水で流れ落ちにくいため、暑くなってくるこれからの季節にも適している、と田上氏は話す。

 さらに、田上氏おすすめの年代別「原液シリーズ」は、20〜30代の少し肌の劣化が気になり始める年代では「ヒアルロン酸」「コラーゲン」に加え、肌バランスを整えるという「アミノフローラ」。ハリ・弾力が気になる40代では、肌の生まれ変わりをサポートする「プロテオグリカン」や、コンタクトレンズの保湿剤の原料になるほど高い保湿力を持つ「リピジュア」、50〜60代では「プラセンタ」だ。さらに、乾燥肌や肌荒れ、カミソリ負けなど、男性の肌トラブルには「リピジュア」、ニキビには「保湿型ビタミンC」、といった具合に、それぞれの肌の悩みに応じてきめ細やかなケアが可能だ。

今後の課題は販売強化

 現在、グラマティカルブランドが販売されているのは全国のイオンおよびイオンスタイル約440店舗。実際に使用した店舗スタッフやお客からは好評を得ているが、取り扱っている店舗が近くにないなどの意見も多い。イオンの公式通信販売「イオンスタイルオンライン」での購入も可能だが、全体に占めるオンラインでの購入割合は1割程度で、今後の課題はネット販売の強化と実店舗での販路拡大だという。

 「スーパーマーケットでのスキンケア商品の販売は、一般的な化粧品ブランドに比べて厳しいと分かっていて取り組んできた。今後も高品質で手に入りやすいものを開発していきたい」と田上氏は締め括った。