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ドン・キホーテがPB「情熱価格」をリニューアル 国内外3兆円めざすために狙うこととは?

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都/吉田直樹社長:以下PPIH)が運営する総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」は2月24日、プライベートブランド(PB)である「情熱価格」のリニューアルについて発表会を行った。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 吉田直樹社長

国内・海外売上高3兆円をめざすためのリニューアル

 2020年2月、PPIHは「Passion2030」と銘打った新中長期経営計画を発表していた。これは、30年までの営業目標を明文化したもので、国内売上高2兆円、海外売上高1兆円達成を目標に掲げている。PPIHは、21年6月の今期末の売上高を国内・海外合わせて1兆7000億円と見込んでおり、「目標達成のためには、ここから毎年1000億円ずつ上積みしていかなくてはならない」と吉田直樹社長は意気込んだ。

 今回の「情熱価格」リニューアルは、国内・海外売上高3兆円をめざすためのアクションプランの一つで、「安さ、便利さ、楽しさ」をコンセプトとする、ドン・キホーテのブランド価値をさらに高めることが狙いだ。

吉田社長異例の“お詫び”から「ピープルブランド」への変革へ

 これまでの「情熱価格」について、吉田社長は「安さを追い求めた結果、今一つ面白みにかける、普通のPBになってしまっていたことについて心よりお詫び申し上げる」と異例の“お詫び”を語り、これからは「驚きのニュース」のあるPBをめざすとした。同社 PB事業戦略本部本部長 森谷健史氏によると、今回のリニューアル内容は以下の通りだ。

 一つは、「PBは自社だけで作るもの」という考えを改め、お客とともに作り上げる「ピープルブランド」への変革を行う。商品に対するお客の率直な意見を取り入れ、“最驚”を生み続ける共創サイクル実現のため、ドン・キホーテのキャッチコピー「驚安の殿堂」をもじった「ダメ出しの殿堂」というウェブページを設置した。ページからは最大140文字、商品に対する率直な「ダメ出し」を送信することができ、PB商品の開発・改善に役立てていく方針だ。

新ロゴ・新ブランドライン展開で強いインパクトをねらう

刷新されたロゴマークと、新ブランドラインであることを示す「ありえ値ぇ!」の文言

 二つめは、「情熱価格」ロゴマークの刷新だ。これまで、「情熱価格がドン・キホーテのPBであるという認知があまりされていなかった」(森谷氏)ため、ドン・キホーテの頭文字「ド」を大きく配置し、インパクトを重視したロゴマークに変更する。また、PPIHグループの海外店舗でのPB展開も視野に、「情熱」の英字表記「JONETZ」も盛り込んだ。

 三つめに、とくに強い自信を持って販売するフラッグシップアイテムを、新ブランドライン「ありえ値ぇ情熱価格」として展開する。「ありえ値ぇ!」の文言を、新ロゴとともにパッケージに大きく掲載し、驚きのある商品であることを直球でアピールしていく。発表会では新商品の例として「ワイヤレスヘッドホン一体型VRゴーグル」(本体価格3980円)が紹介され、発表会にゲストとして出席した高橋英樹氏・高橋真麻氏が実際に装着。使用感と3980円という激安価格に、PPIHの狙い通り「ありえない」と驚く場面もみられた。

 吉田社長は、「今回のリニューアルには、コロナで世の中が沈みがちな今だからこそ、せめて普段のお買物ではワクワクして欲しい。そのためには、ありったけの情熱を注いでいく」と発表を締め括った。