新型コロナウイルスの感染拡大によって、健康に対する意識はこれまで以上に高まっている。感染症から身を守るためにも健康でありたいと考え、機能性商品を活用する消費者が増えていることが市場動向でもうかがえる。そこで今回は、「健康・機能性市場トレンド2020秋・冬」と題して、顕著な動きのあった4つのカテゴリーを取り上げてレポートする。
プロテイン訴求商品
カテゴリーの主役「ザバス」の好調が続く
かつてはプロのアスリートのための機能性食品というイメージのあったプロテインだが、いまや健康維持に欠かせない栄養素としての認知が進み、幅広い世代で利用が進んでいる。これに伴い、前年比200%超えの驚異的な伸長が続いていたが、2020年2月以降は右肩下がり。と言っても、直近7月で金額前年比164.0%という数値はほかの商品に比べれば驚きの伸びだ。右肩下がりをあえて説明するなら、外出自粛によりジムで鍛えたり、スポーツを楽しんだりする機会が失われたことによる一時的な鈍化といえるかもしれない。
市場をけん引しているのは、明治の「ザバスMILK PROTEIN」だ。金額構成比50%弱を占め、本カテゴリーの中心となっている。新商品が次々に発売され、いずれも好調だ。ブランド全体としては、金額前年比は落ち着いてきているものの、直近でも150%近いペースで伸長を続けている。これほどまでに支持される理由は、その飲みやすさ。粉末タイプのように牛乳や水に溶かす手間がなく、運動後に手軽にごくごく飲めるうえ、フレーバーが多彩で飲み飽きることがない。
一方、金額構成比13%を占めるバータイプも前年比200%超が続き好調だ。いつでもどこでも手軽に喫食できることを強みに、市場での存在感を高めている。年代別構成比では、全商品合計と比較すると、30~50代の構成比が非常に高く、とくに30代は8ポイント、40代は6.7ポイント上回っている。それゆえ、若年層の来店客獲得に向けて提案チャンスが大きい商品といえそうだ。
市場拡大に貢献「明治TANPACT」
20年7月の売上ランキングをみると、トップ20の中に「ザバスMILK PROTEIN」シリーズが9商品ランクイン。そのうち4商品が今春投入されたものである。いかに消費者が新しいフレーバーの登場に期待しているかがわかる。
「ザバスMILK PROTEIN」シリーズが主役のカテゴリーではあるが、新たな動きも見受けられる。今年3月に発売された「明治TANPACT」シリーズが新商品ながら好調で、トップ20 に5 商品も入っている。日本人のたんぱく質の摂取量低下に対応するソリューションとして明治が開発したものだが、すでに金額構成比16%を占めており、市場拡大に貢献している。今後ブランド認知が進めば、カテゴリー横断商品であるだけに、その割合はさらに大きくなると推測できる。
糖質オフ商品については、10/24、公開します。
・糖質オフ・ゼロ系ビール類 10/21公開
・乳酸菌関連商品 10/22公開
・糖質オフ商品(加工食品) 10/24