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スンドゥブ市場、認知は高いが喫食経験率は約4割 さらなる市場拡大に期待

豆腐と卵で簡単につくれる韓国の家庭料理のスンドゥブ。コロナ禍での内食需要の高まりに加え、韓国ドラマやK-POPなどの韓流ブームを追い風に食卓での登場頻度が高まっている。認知は高いものの喫食経験率はまだ低いため、トライアルを獲得すればさらに市場は拡大することができそうだ。

丸大食品「スンドゥブ」は約6割のシェアでトップを独走

 唐辛子のカプサイシン効果に加え、豆腐を使うことからヘルシーなメニューのスンドゥブが人気だ。手軽に本格的なスンドゥブがつくれるスンドゥブの素も好調で、KSP-POSデータによると2021年は19年対比で13%増と伸長した。スンドゥブの素の主な購買層は40代、50代の女性だが、最近は韓流ブームの影響で若い女性からも関心を集めている。

スンドゥブの素の主な購買層は40代、50代の女性だが、最近は韓流ブームの影響で若い女性からも関心を集めている。(i-stock/bonchan)

 スンドゥブカテゴリーの販売金額構成比ランキング(2021年1月~12月)では、丸大食品の「スンドゥブ マイルド」がシェア32%でトップ、「スンドゥブ 辛口」がシェア22%で2位となった。この2商品が圧倒的な強さでシェア54%を獲得した。おいしさで支持されている商品で、家庭のストックとしてまとめ買いされる商品だ。

 12位と13位には個食タイプの「スンドゥブ」(170g×3)のマイルドと辛口が入った。電子レンジ調理が可能なので、単身者などに人気だ。また、10位には「海老スンドゥブ」、15位には「牡蠣スンドゥブ」がランクイン。ベースのだしを海老と牡蠣に変えたスンドゥブで、鮮魚売場の活性化につながっている。丸大食品の「スンドゥブ」は、さまざまなニーズに対応したラインアップの多さが強みで、ブランド全体で約6割のシェアを獲得している。

 丸大食品が行った調査によると、スンドゥブの認知率は約7割と高いものの、喫食経験率は約4割にとどまった。同社ではトライアル獲得のため、新商品の投入やプロモーションの展開でさらなる市場拡大をめざしている。

モランボン、ニッスイなど、3位以下の競争が熾烈

 ランキング3位と4位には、コクと力強い辛さが特徴のモランボン「濃厚スンドゥブチゲ用スープ」〈辛口〉と、まろやかな味わいの〈マイルド〉が入った。5位には、唐辛子とにんにくをバランスよくブレンドしたエスビー食品「菜館 スンドゥブチゲの素 辛口」、6位と7位には、あさり、ほたて、はもの3種の魚介旨味だしを配合した日本水産「ニッスイ スンドゥブチゲの素」〈マイルド〉〈辛口〉が続く。

 そのほか、美山の「スンドゥブ」やダイショーの「赤いスンドゥブチゲスープ」、モランボンの「豚スンドゥブチゲスープ」などがランクインした。

 スンドゥブの素はこれまで豆腐売場や鮮魚売場などで展開されてきたが、間口拡大のためにも、秋冬に立ち寄り率の高い鍋つゆ売場が最適だ。丸大食品では従来の食べ方だけでなく、さまざまな食材を使ったアレンジ鍋として提案。食べ方を広げることで食卓登場頻度アップを図っている。