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クッキングサポートの運用方法を解説 KPIを「粗利」と「接客数」にすべき理由とは

最近ではレシピ提案や調理の実演を行う「クッキングサポート」を設けるスーパーマーケット(SM)が多くみられるようになった。このコーナーはどのように活用させていけばよいのだろうか。今回は、食品売場における情報発信と「場」としての2つの側面から、クッキングサポートの将来性について述べていく。

クッキングサポートが持つ2つの役割

 食の情報発信について研修する際、パエリアの写真を見せて「このパエリアに使われている材料のすべてを売場で選びなさい」という問題を出す。残念ながら完璧な正解はない。それどころか、実は私も完璧に答えられない。目で見てわかる材料、おそらく使われていそうな材料はわかるが、目視できない材料や隠し味までは完成形からは判断できない。

料理の完成形を見てそれに使われている材料をすべて集められる人はいない

 現代社会でわれわれは料理の完成形から食と接することが多い。そしてそのプロセスを知る機会は減りつつある。故に、即食系の商品を除き、店舗で売っているときの状態と食べるときの状態が大きく違う。自分で調理するために食品を購入する際は、このことを把握しておかなければならない。

 販売時と使用時の状態が同じ衣料品でもコーディネート提案をしているのだから、食品売場で「材料は、下ごしらえは、調理は、完成形は」という情報発信がないのはおかしな話だ。さらに毎食ミールキットでない限り、使った食材は余りが出る。家庭では限られた時間とコストの中で、家庭にある材料と新規で買い足す材料を絶えず組み合わせながら、1度に何種類かの料理を用意し食べるのだ。

 こう考えるとどれだけ情報発信をしてもキリがない。まずは食品売場における情報発信およびクッキングサポートのKPI (重要業績評価指標)を明確にし、仕組みをつくり実現することが肝要だ。

 本稿では、クッキングサポートの

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