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低カロリー甘味料市場、継続して購入する人が増えコロナ特需が一巡した21年も好調が続く

コロナ禍における健康意識の高まりにより伸長を続けている低カロリー甘味料市場。コロナ特需が一巡した2021年も好調は続いている。新規ユーザーが増えていることに加え、飲み物や料理などへの使用頻度もアップしているようだ。

おうち時間の増加で、料理やお菓子づくりに利用

 KSP-POSデータの低カロリー甘味料の期間通算(2021年3月~22年2月)の金額PIは910円で、対前年同期比5.2%増となった。月別金額PIは、前年の反動で前年割れとなった4月以外はすべての月で前年を上回った。2ケタ増で伸びている月もあり、9月は同14.8%増、2月は同10.2%増となった。コロナ禍において健康意識が高まったことで低カロリー甘味料に注目が集まり、新規ユーザーを獲得したことに加え、在宅勤務や外出自粛により、おうち時間が増えたことで、料理やお菓子づくりに利用され、使用頻度がアップした。継続して使用する人が多いことからコロナ特需が一巡した2021年も引き続き好調が続いている。

コロナ禍における健康意識の高まりにより伸長を続けている低カロリー甘味料市場。コロナ特需が一巡した2021年も好調は続いている。 i-stock/kazuma seki

 また、在宅機会の長期化で梅酒やピクルスなどを自宅で漬ける人が増えており、こうした商品は砂糖を大量に使用するため、低カロリー甘味料に置き換える提案が好評だ。店頭で低糖質な梅酒やピクルスがつくれることをアピールすることで、単価アップを図ることができそうだ。

 この1年で低カロリー甘味料の価値が高まり、多くの人が流入してきたが、継続購入を促進するためにも日常的に使えるレシピを提案していくことが重要だ。

味わいや使い方などさまざまニーズに合わせた訴求がカギに

 形状タイプ別にみると、溶け残りが少なく、手軽に使える液体タイプが好調。このカテゴリーをリードしているのが味の素の「パルスイート®カロリーゼロ液体タイプ」。神木隆之介さんを起用したブランドの情緒価値を伝えるテレビCMの投下で、ファン拡大を図っている。

 サラヤではこの春に「ラカントSシロップ」をリニューアル。原料の配合バランスを見直し、羅漢果の風味を生かしたすっきりとした甘さに仕上げた。

 「シュガーカット」シリーズを展開している浅田飴では、昨年9月に「ナチュレS」を発売。一般的な低カロリー甘味料で使用されている3つの食品添加物を使用せず、おいしい甘さの「還元麦芽糖水飴」とステビア、とうもろこし由来の食物繊維だけで仕上げた。

 顆粒タイプでは、サラヤの「ラカントS顆粒」が市場をリード。糖尿病リスク者はもちろん、ダイエットをする若年女性まで幅広い年齢層から支持されている。味の素は「パルスイート®」「パルスイート®カロリーゼロ」「パルスイート®スリムアップシュガー」などの喫食シーンや好みに合わせたさまざまな顆粒タイプを展開している。

 日本リコスは糖類不使用・100%植物由来の「ステビアヘルス」を展開。砂糖と同量使用で同じような甘さになるようにステビアに含まれる複数の甘味成分を調整し、さらにタマネギ等に多く含まれるイヌリン(不溶性食物繊維)を配合した。より上白糖に近いすっきりとした甘さの〈ホワイト〉と、黒糖のようなコクを感じられる甘さの〈ブラウン〉の2種類を展開している。

 低カロリー甘味料は原料や使い方、味わいもさまざまで、ユーザーのニーズは多様化していることから、好みの商品が選べるように店頭でわかりやすく訴求していく必要がありそうだ。