総菜部門のなかでも、人気が高く、粗利益の柱となる肉総菜。しかし新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下で総菜部門のあり方が見直された今、店の売上、収益にいっそう貢献できる存在へと進化することが求められている。その方向性と、商品化における課題を提示する。
コロナ禍を経て総菜は新局面へ
総菜部門のなかでも肉総菜は“花形”といえる商品だ。ロースカツや、唐揚げ、焼き鳥など、多くの食品スーパー(SM)が原料や衣づけ、下味、調理法といった、一つひとつの要素にこだわりを持ち、専門店に引けを取らない、値ごろでおいしい商品を開発している。
そして、これらは部門の売上や収益の核となる商品だ。さらに、「カツサンド」「唐揚げ弁当」「焼き鳥丼」といった弁当や軽食メニューの開発へとつなげることもできる。これらの肉総菜に支えられ近年拡大を続けてきた総菜マーケットだが、2020年、コロナ感染拡大下での内食需要の高まりなどの影響により、11年ぶりに前年割れとなった。
これを機に、SMの総菜売場は新たなステージへの転換を迫られている。「茶色い売場」といわれた揚げ物主体の品揃えから脱却し、高付加価値、高生産性、環境や健康への配慮など、さまざまな要素を持った新しい総菜開発が求められている。なかでも核商品である肉総菜への期待は大きい。
本稿では、これからの肉総菜カテゴリーについて、①「精肉総菜」としての魅力、②精肉総菜の拡大における課題、の2点について触れつつ、肉総菜の可能性について探っていきたい。
①精肉総菜の魅力
うま味を引き出し一段、上質な商品に
総菜全体をけん引してきた肉総菜カテゴリーだが、従来の総菜部門ではなかなか実現できなかった商品がある。たとえば、
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