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日本初のプレーンヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルト」、時代に合わせて進化を続ける

今年で発売50周年を迎える「明治ブルガリアヨーグルト」。時代に合わせてリニューアルを繰り返しながら、幅広い年齢層に支持されるヨーグルトとして市場をリードしている。この春は新製法を採用して、よりおいしく進化させ、ブランドのさらなる底上げを図っていく。

容器・製法・乳酸菌などこの50年で大きく変化

 「明治ブルガリアヨーグルト」は、1971年に開催された大阪万博の「ブルガリア館」で明治のスタッフが、本場のプレーンヨーグルトを試食したことが誕生のきっかけとなった。当時、日本のヨーグルトは砂糖や香料を加えたデザート感覚で食べるものがほとんどで、プレーンタイプのヨーグルトはまだ存在していなかった。

 明治では「本場の味」を再現するため、持ち帰ったサンプルを研究し、試作を重ね、1971年に日本初のプレーンヨーグルトとして「明治プレーンヨーグルト」を発売。容器には牛乳で使用されているゲーブルパックを採用した。日本人にはなじみのない味ということで、当初は苦戦を強いられた。その後、ブルガリアの国名使用許可を得て、1973年に「明治ブルガリアヨーグルト」に名称変更した。

パッケージの変遷
「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージ変遷。1973年の発売当初はゲーブルパックを採用

 1981年には現在も使われているフルオープンタイプの容器を採用。広い間口で中身が取り出しやすく、角の丸い形状はスプーンで最後まですくいやすい。この容器の変更により、プレーンヨーグルトが食卓に定着するきっかけとなった。健康志向の高まりを受け、1984年には従来の菌株に機能面に優れたLB51乳酸菌を加えた「明治ブルガリアヨーグルトLB51」として発売。この頃からプレーンヨーグルトが世の中に急速に普及。同社ではプレーンヨーグルトの健康価値を強く打ち出して、商品をアピールしてきた。1993年には菌株の全面見直しに着手し、より機能面に優れた「明治ブルガリアヨーグルトLB81」にリニューアルした。その後、特定保健用食品の表示許可を取得。LB81乳酸菌の働きにより、腸内細菌のバランスを整えて、おなかの調子を良好に保つことなどが科学的に証明された。

「ヨーグルトの正統」としてパッケージで訴求

 2000年にはパッケージに「ヨーグルトの正統」のコピーを入れて訴求。当時はヨーグルトの整腸作用など機能面を訴求したものがほとんどで、同社ではヨーグルトの本場ブルガリアの歴史とおいしさを受け継いだ日本で最も歴史のある正統ヨーグルトであることを再認識してもらう目的があった。2014年には新製法「まろやか丹念発酵」を採用。酸素濃度を下げた状態で発酵させることで、まろやかな風味となめらかな食感のヨーグルトを実現する同社独自の技術で、よりおいしくなったと好評を得た。

 「明治ブルガリアヨーグルト」ブランドは、プレーンタイプだけでなく、〈脂肪0〉〈カルシウムと鉄分〉、〈やさしい甘み〉のほか、無脂肪ヨーグルトを水切り濃縮したヨーグルトやフルーツヨーグルト、のむヨーグルトなど、ニーズに合わせてラインアップを広げてきた。これにより、朝食や間食、昼食などの食シーンが広がったほか、料理での活用も増えている。

新製法「くちどけ芳醇発酵」採用でさらにまろやかなくちどけに

 発売50周年を迎える今年は、中身をさらに進化させた。同社が行った調査によると、プレーンヨーグルトは健康に加え、おいしさを求めており、なかでも「食べ飽きないおいしさ」「濃厚さ」「なめらかさ」に対するニーズが高くなっている。そこで、既存の「まろやか丹念発酵」に加え、超高温殺菌と脂肪微細化を合わせた、なめらかで濃厚な物性を実現する新製法「くちどけ芳醇発酵」を採用。これにより、くちどけのよさに加え、爽やかな酸味とミルクの濃厚感が両立し、食べ飽きなさの向上につながった。ユーザーからも、くちどけ、なめらかさ、濃厚感など、すべてにおいて、従来品と比べて新製法の商品の評価が高くなっており、ユーザーニーズに対応した商品となっている。

 また、ブランドの中心商品である「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」を新デザインに一新した。

左右対称の白い正円を採用した新パッケージの「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」。シンプルで存在感のあるデザイン

 「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージデザインは時代に合わせて変更している。1991年にはグラデーションのデザインを取り入れ、1996年には上下の横ラインを斜めに変え、躍動感を演出。2003年にはブルガリアの持つ「本物」「正統」「自然」なイメージを表現するため、楕円形を採用した。

 新パッケージは、ピュアなヨーグルトのイメージが伝わりやすい左右対称の白い正円で、ヨーグルトを食べて腸から全身へ健康が浸透していくイメージをグラデーションで表現した。シンプルかつ存在感のあるデザインで店頭での視認性が高まっている。

WEB 動画や販促物でプレーンヨーグルトの進化を訴求

 新しくなった「明治ブルガリアヨーグルト」の認知を広げるため、「プレーンヨーグルトって進化できるんだ!」というキャッチコピーで、WEB動画や店頭販促物などを用意して「明治ブルガリアヨーグルト」が進化したことを訴求する。それに合わせてマネキンを使った試食なども計画している。

「プレーンヨーグルトって進化できるんだ!」をキャッチコピーに商品価値を訴求する

 ここ数年はヨーグルト市場が停滞しており、プレーンヨーグルトも踊り場に達している。市場を活性化するためにも話題となるニュースを提供し盛り上げていく。

発酵マーケティング部ヨーグルトG 田中 陽氏

 「50周年はゴールではなく、新しいスタートだと考え、これからも新しいことに取り組んで、プレーンヨーグルトの市場活性化につなげていきます」(発酵マーケティング部 ヨーグルトG 田中 陽氏)と話している。

 パッケージと中身のリニューアルを第一弾として、秋以降には50周年を記念したプロモーションを計画している。年間を通して「明治ブルガリアヨーグルト」ブランドの露出を図っていく考えだ。