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ティファニー、LVMHからの査定要請受け入れ=関係者

フランスの店舗
仏高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が米宝飾品大手ティファニーに対する買収提示額を引き上げ、ティファニーがLVMHからのデューデリジェンス(対外秘の資産などの査定)の要請を受け入れたことが分かった。写真は10月27日、フランスのニースで撮影(2019年 ロイター/Eric Gaillard)

[ニューヨーク 20日 ロイター] – 仏高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が米宝飾品大手ティファニーに対する買収提示額を引き上げ、ティファニーがLVMHからのデューデリジェンス(対外秘の資産などの査定)の要請を受け入れたことが分かった。事情に詳しい複数の関係者が20日明らかにした。査定受け入れはLVMHのティファニー買収計画にとって大きな節目となる。

LVMHは今月初め、ティファニーに1株当たり120ドルで全額現金による買収を提案。ティファニーは提示額が大幅に低すぎると難色を示していた。

関係筋によると、LVMHはその後提示額を1株当たり130ドル近く、総額は160億ドル近くに引き上げた。ティファニーは提示額のさらなる上積みを求める方針で、合意がまとまるかどうか不透明だという。

LVMHとティファニーはコメント要請に応じていない。

20日の時間外取引でティファニーの株価は一時3.6%上昇した。

ティファニーは2015年以降、年間の売上高と利益が低迷していたが、17年には売上高が持ち直した。ボリオーロ最高経営責任者(CEO)の下で電子商取引事業の拡充や手頃な価格の商品による若年層の囲い込みなどに注力している。

しかしLVMHは、ティファニーは傘下のブランドで見直しやマーケティングの強化が不可欠で、こうした取り組みを進めるにはティファニーをLVMHの一部門とするしかないとみている。

LVMHは11年にブルガリを買収するなどして弱点の宝飾・時計部門のてこ入れを図った。しかし同部門が昨年の売上高と利益に占める比率はなおそれぞれ9%、7%にとどまっており、同部門の規模はファッション・ハンドバッグなど中核部門の5分の1程度にすぎない。