富士経済が7月28日に発表した予測によると、2020年の外食産業市場は前年比16.5%減の28兆5965億円となりそうだ。新型コロナウイルス感染拡大による外食店の営業時間短縮や休業、外出自粛要請による来店客の減少などが響く。
若者の酒離れや宴会需要の低迷などで19年に市場が縮小した料飲店は、20年も市場縮小に拍車がかかると見られる。中でも居酒屋・炉端焼きの市場縮小は深刻で、20年の市場規模は1兆1715億円と20年前に比べて52.1%減となりそうだ。
一方で、市場が拡大しそうなのが、巣ごもり需要が追い風となっているテイクアウトとデリバリーだ。20年の市場規模はテイクアウトが前年比2.3%増の8757億円、デリバリーが8.1%増の3364億円となる見通し。
来店前にスマートフォンアプリで注文と支払いを済ませ、来店してすぐに商品を受け取ることができる「モバイルオーダー」の導入が多くの業態で進んでおり、外出自粛要請の中で利用が増えた。デリバリーについては、出前館やウーバー・イーツなど料理宅配サービスの活用によって、小規模の飲食店でも対応店舗が増加している。