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ファミリーマート「KING オブ チーズパン」でねらう収益改善の中身とは?

ファミリーマート(東京都)が1月21日~2月10日までの3週間にわたり、うまいパン決定戦を開催している。第2回目を迎える同イベントでは、国内のパンメーカー9社が開発したオリジナルパンの販売金額とTwitterでの投票数により、「KINGオブチーズパン」を決める。同イベントのねらいはなにか――。

「第2回うまいパン決定戦」にエントリーした国内メーカー9社がオリジナル商品をPRした。

 

パンの販売強化で収益アップをねらう

 「第2回うまいパン決定戦」は、121日~210日までの3週間、全国のファミリーマート約15800店で開催する。全国を①北海道、②東北、③関東・甲信越・福島、④関西・東海・北陸・中国・四国、⑤九州の5ブロックに分け、各ブロックにおけるパンの販売金額と、Twitterのハッシュタグ付きの投稿数により、最も人気のある「KING オブ チーズパン」をブロックごとに決める。

 なぜ、パンなのか。同イベントの最大のねらいは、加盟店の収益改善だ。

 ファミリーマートの部門別売上高のうち、中食の構成比は約21%で、そのうちパンの割合は18%と最も多い。

「パンはある程度日持ちのするものが多く、廃棄率が少ない。客数が上がらないなかでフードロスを減らし、パンを中心に加盟店の収益を上げていきたい」(澤田貴司社長)。既存店売上高が伸び悩むなか、中食の要であるパンの売上を引き上げることで収益改善につなげるとしている。

 商品・物流・品質管理本部デリカ食品部の木下紀之部長は、「パンを購入するお客さまは、1点だけというよりも2点購入していくケースのほうが多い。また、パンだけではなく、ドリンクやヨーグルト、デザートといった『プラス1品』となる商品を購入していくお客さまも少なくない」と話す。パンの販売強化によって、客単価を引き上げたい考えだ。

 

素材や味にこだわったオリジナル商品で勝負

 第2回目となる今回は、年々需要が増加しているという「チーズ」がテーマとして掲げられた。エントリーしたのは、伊藤製パン(埼玉県)、神戸屋(大阪府)、札幌パリ(北海道)、敷島製パン(愛知県)、白石食品工業(岩手県)、日糧製パン(北海道)、フジパン(愛知県)、山崎製パン(東京都)、リョーユーパン(福岡県)の9社。エントリー商品の一部を見ていこう。

山崎製パンの「チーズケーキデニッシュ」

 

 前回優勝し、今回5ブロックすべてにエントリーしているのは、山崎製パンの「チーズケーキデニッシュ」(本体価格119円)だ。クリームチーズ、カマンベールチーズ、マスカルポーネチーズと3種のチーズを使用した、マイルドな味わいのチーズクリームとデニッシュ生地を焼き上げた商品だ。

神戸屋の「チーズ三昧」

 また、前回山崎製パンとともに優勝した神戸屋は、関東・甲信越・福島ブロックと関西・東海・北陸・中国・四国ブロックにエントリーし、「チーズ三昧」(同128円)を発売する。クリームチーズとチェダーチーズの2種類のチーズクリームをパン生地で包み、さらにその上にシュレットチーズと粉末チーズをのせて焼き上げ、香ばしい仕上がりとしているのが特徴だ。

リョーユーパンの「大きなチーズパン」

 リョーユーパンは、九州ブロックでのエントリーで「大きなチーズパン」(同110円)をアピールした。九州においては、「大きい・濃い味・安い」が“売れるパン”のキーワードだという。そこで同商品は、ファミリーマートのオリジナル商品である「あらびきチョリソーソーセージ」の1.3倍の大きさとした。チーズとマヨネーズを組み合わせることで濃厚な味わいを実現しながら、価格は110円とファミリーマートのレギュラー商品と同程度に抑えている。

 

 各ブロックで優勝したパンは、今春に再度商品をファミリーマートの店舗で発売し、優勝記念企画も実施する。澤田社長は「全国約15800店という規模での企画実施は、ファミリーマート以外にはない。各メーカーの商品について多くの人に知っていただける機会になる」と述べた。