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世界経済の成長率、金融危機以降で最低に OECDが下方修正

天津港近くの物流施設で石炭を積み込む労働者。
9月19日、経済協力開発機構(OECD)は世界経済の成長率予測を下方修正した。写真は中国の天津港近くの物流施設で石炭を積み込む労働者。5月26日撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[パリ 19日 ロイター] – 経済協力開発機構(OECD)は19日、世界経済の成長率予測を下方修正した。

今年の世界経済の成長率は、米中貿易戦争を背景に2.9%と、2008─09年の金融危機以降で最低となる見通し。

昨年の実績は3.6%、来年の予測は3.0%。

5月時点の予測は、今年が3.2%、来年が3.4%だった。

OECDは、各国政府の対応が引き続き遅れれば、世界経済が長期にわたる新たな低成長局面に突入するリスクがあると指摘した。

OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ボーン氏はロイターに「一時的な貿易摩擦とみられていたものが、長期の新たな貿易関係に変わりつつある」とし「貿易を規制していた国際秩序は崩壊し、相対的に透明性が低く、2国間中心の、時に強引な貿易関係という新たな時代に入った」と述べた。

同氏によると、金融危機からの回復の原動力となっていた世界貿易の伸びは2017年の5%からマイナスに落ち込んだ。

また貿易摩擦で企業心理が悪化し、投資の伸びは2017年の4%からわずか1%に低下した。

同氏は貿易摩擦が米経済に悪影響を及ぼしているとも指摘。一部の工業品が打撃を受けたほか、農家が破産するケースも出ているという。

米国の経済成長率は今年2.4%、来年2.0%となる見通し。5月時点の予測はそれぞれ2.8%、2.3%だった。

中国の経済成長率は今年6.1%、来年5.7%となる見通し。5月時点の予測はそれぞれ6.2%、6.0%だった。

OECDによると、中国の内需は年間約2%ポイントのペースで減少が続いており、世界経済に大きな影響を及ぼす可能性がある。

内需の減少に加え、金融状況が悪化し、不透明感が強まれば、世界経済の成長が最初の2年間で年0.7%ポイント押し下げられる見込みという。

英国の経済成長率については、欧州連合(EU)離脱が移行期間を設けてスムーズに進めば、今年1%、来年0.9%になると予想。5月時点の予測はそれぞれ1.2%、1.0%だった。

EU離脱が合意なき離脱となれば、インフラが完全に稼働した比較的スムーズな離脱であっても、2020─21年の経済成長率が2%下押しされる見通しという。

この場合、ユーロ圏も悪影響を免れず、2020─21年の域内総生産(GDP)は0.5%ポイント下押しされるという。

OECDはドイツ経済の低迷などを理由にユーロ圏の経済成長率予測を今年1.0%、来年1.0%に下方修正した。5月時点の予測はそれぞれ1.2%、1.4%だった。

ボーン氏は、第2・四半期と第3・四半期のドイツ経済がおそらくマイナス成長になったと指摘。ドイツのGDPの4.7%を占める自動車生産が低迷し、経済成長率を0.75%ポイント下押しするとの見方を示した。