以前よりもマーケティング的アプローチが定着してきたようで、「消費者ニーズを知りたいので調査をしたい」というお話を筆者もよく耳にします。ビジネスを発展させるうえで、基本となるのが消費者理解ですので、こういったお話自体はとても前向きなことです。しかし、「消費者調査とは何か?」をまったく勉強しないまま、とりあえず「調査すればニーズがわかる」と思っている人が少なくないのも事実です。細かなことは消費者調査のプロに任せてよいのですが、その分析を使って意思決定をするのはビジネスの担当者です。そこで、今回は消費者ニーズを知るうえで、気をつけたいポイントについて説明していきます。
「欲しいものは何?」と消費者に聞いてもムダ
「消費者ニーズを探らねばならない」という目的達成のために、消費者に何が欲しいかを直接聞こうとする人が少なくないのが実情です。しかし、基本的なニーズが満たされた21世紀の日本では、そもそも消費者は今ある商品でおおよそ満足しているので、「あなたが欲しいものは何ですか?」と聞いてもポイントを突く答えが返ってくることはまずありません。
それでは調査会社も調査を依頼する側も得られるものは何もないので、さまざまな質問方法や解析方法を研究してニーズの構造や、消費者がまだ気づいていないニーズの分野を発見する「ソリューション」を開発しています。
そのソリューションは、一般的には大規模でノウハウが詰まっている調査をもとに複雑な解析をするのでそれなりに高額な費用がかかります。しかも、それらは探索的な調査であるため、何らかの発見はあるものの、実際に活用可能なニーズは見つからない場合も往々にしてあります。
「消費者ニーズ」はN1分析
そこで、お勧めしたいのは、
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