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写真や映画、なんでもOK!自分の趣味を実店舗の顧客獲得につなげる方法

こんにちは、成田直人です。先週、実店舗の付加価値を創出するためには、自分の「趣味」や「性格」を活かすことが重要という話をしました。今回は、実際に自分の趣味を活かして顧客獲得に成功した事例を紹介します。

SetsukoN/istock
SetsukoN/istock

趣味の「写真」で店舗の付加価値を高める!

 最初に紹介するのは、とある携帯ショップの店長の話です。

 この店舗はドコモ、au、ソフトバンクといった特定のキャリア専門店ではなく、複数の携帯会社の商品やプランを取り扱う「併売店」です。そのため品揃えは豊富なのですが、「なぜこの店で購入する必要があるのか?」という点においては十分な理由を作ることができていませんでした。

 私の研修を受けた後、その店長は「私は写真が趣味なので、スマホで撮った写真を店内に貼るのはどうですか?」と言いました。私はもちろん賛成したのです。

 実際、彼が自分のスマホで撮った写真を印刷して店内に貼ったところ、彼の作品を見たお客から、「どうしたらこんなに綺麗に写真が撮れるの?」と声を掛けられるようになりました。

 最初はその都度教えていたのですが、人数も増えてきたため「スマホde写真撮影セミナー」という講習会を店内で開くようになりました。

 これが好評を博し、地域のご年配をはじめ、お子さまを持つお母さんなどがセミナーに集まるようになりました。また、全面ガラス張りの店舗なので、「おやっ何をやってるんだろう?」と店の外から店内を覗く人も増えてきたそうです。

「映画」でリピーター獲得に成功した美容室

 携帯ショップの事例では、取り扱い商品であるスマホと店長の趣味の写真は関連性が高いものでした。しかし、ときには全く関連性がない趣味が店舗の付加価値となることもあります。

 とある地方の美容室の話をしましょう。このクライアントは、初回割引のクーポンを使用した後のリピート率の低さに課題を感じていました。美容室の魅力となるカットやカラー、パーマなどの技術についてはアドバイスできないため、スタッフが無理しなくても長く続けていることや好きなこと、これは誰にも負けないことなどを集め、付加価値として提供できないかを話し合いました。

 すると、ある女性スタッフが「私は自分の仕事と同じくらい映画が好きです」と言ったのです。一見、美容室と映画はなんの関連もなさそうですが、実はこれでも付加価値を創出できるのです。

 その女性スタッフは「ほぼ毎日映画を見ています」という一言を名札に添えるようにしました。するとお客から「映画好きなんですか?」と聞かれるようになり、「あの映画いいですよね〜。とくにこのシーンとか・・・」など、お客と共通の趣味で盛り上がるようになりました。

 もちろん、映画に興味がない人もいるため、あくまでも映画が好きなお客と盛り上がるためのネタとして考えてもらっています。映画に関心がない人に「私映画が好きで!」というのは逆効果なので。

 映画の話題で盛り上がったお客には、ほぼ確実に「おすすめの映画ありますか?」と聞かれます。彼女は過去に見た映画の中からおすすめを紹介し、とても喜ばれたそうです。

 この映画紹介がリピート率向上にもつながりました。紹介してもらった映画が面白ければ、その感想を話したくなるものです。技術が優れているのはもちろんですが、映画がきっかけでリピーターになるお客が激増しました。さらに、お客による新規の紹介も増え、「常に映画が好きなお客さまに囲まれ、仕事がさらに楽しくなった」と彼女は言っていました。

仕事と直接関連性がなくても
「付加価値」になる!

 このように、付加価値をつくるにあたっては仕事内容とは一見何も関係なくても問題ありません。もちろん反響がなければ、やめて違う付加価値を探せばよいのです。大切なのは、チャレンジし続けることです。

 お客が自分の店舗を選ぶ、選び続けるハードルは今後も上がり続けていくことでしょう。オンラインサービスもこれからさまざまな業界の実店舗のお客を奪いにかかります。ただ「オンラインのせいだ!」と嘆いても売上は1円も上がらないし、状況は1ミリも好転しません。

 常に自分自身を磨き、商品やサービス以外の付加価値は何かを探し続けること、見つかったらアップデートし続けることが重要です。単にお客の欲しい商品やサービスを提供して儲かる時代はもう終わりました。「変わり続けること」を店舗、会社の文化にできるように率先垂範で挑戦していきましょう。

 

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なりた・なおと
明治大学商学部商学科卒業。19歳ABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得、22歳PCデポにて7か月で個人売上1億円を達成、2007年3月小売・サービス業専門コンサルティング会社を創業。年間200回10000名以上をトレーニングし、2022年3月で15周年を迎え法人300社・受講生15万名・登壇回数4000回を突破。著者としても接客業・店長向け書籍を中心に17冊(韓国2冊)の書籍を出版、累計13万部を超える作家としても活躍。PRESIDENT・日経ビジネスでも表紙・巻頭特集を飾り大手経済紙からも注目を集める。現役販売員を務めるなど、現場感に優れ、クライアントの多くが昨年度対比120%を突破し、5年で売上3倍・利益25倍、さらにはコロナ禍においても過去最高売上利益を更新し続けるクライアントも3社出てくるなど、「良い」よりも「成果が出る」をモットーとした現場型研修・コンサルティングには定評がある。功績が評価され、中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。2019年からお笑いの殿堂M-1グランプリやボディビルの大会に出場、2020年FMヨコハマメインパーソナリティに就任

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