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業績好調のローソンが突き進む、「Real×Tech Convenience」への道筋

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「ローソングループ大変革実行委員会」のもと、2021年2月期から改革を進めてきたローソン(東京都/竹増貞信社長)の業績が好調だ。24年9月に親会社の三菱商事(東京都/中西勝也社長)とKDD(I 東京都/松田浩路社長CEO)の共同経営体制に移行するなど変革期にある中で、25年2月期の事業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は2期連続で過去最高を更新した。

中期経営ビジョンの数値目標を前倒しで達成したことから、新中期経営計画を策定し、成長を加速させる構えだ。

グループ全体で好業績を維持

 ローソンの2025年2月期連結業績(IFRS)は、チェーン全店売上高が対前期比5.1%増の2兆8918億円、営業収益が同7.6%増の1兆1707億円、事業利益が同11.7%増の1050億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同14.9%増の599億円と、いずれも過去最高を更新した。

 22年2月期以降、チェーン全店売上高、各段階利益ともに4期連続で伸長し、好業績を維持している。

25年2月期も増収増益で好調のローソン

 事業セグメント別で見ると、主力の国内コンビニエンスストア(CVS)事業は既存店売上高が同3.6%増、全店平均日販は57万4000円と過去最高を更新した。主な要因は、コロナ禍で発足したローソングループ大変革実行委員会のもとで進めてきた施策にある。

 その中でも、「ハッピー・ローソン・プロジェクト!(ハピろー! )」をはじめとするマーケティング施策や新商品の開発などが大きく寄与した。

 国内の期末店舗数は1万4694店で、期中に313店を出店し、店舗純増数は51店となっている。

 海外事業は中国での出店が順調で、中国での店舗数は対前期比で332店純増、店舗数は計6670店(25年2月期末時点)となった。タイ・フィリピン・インドネシアも、中国に続く「第三の柱」として事業拡大のフェーズに入りつつある。

 そのほか、「成城石井」事業は既存店売上高が同4.2%増と大きく伸びた。24年10月に店舗網の“最西端”となる広島県で初出店するなど、出店エリアも順調に広げている。エンターテインメント事業はイベントや物販の売上が伸び事業利益が前年を上回った。

ローソンの竹増貞信社長

 ローソンがこうして成長を持続しているのは、22年2月期に策定した26年2月期までの中期経営ビジョン「ローソングループChallenge 2025」のもとで取り組んできた施策が結実した結果だ。

 竹増社長は「CVSは飽和状態だと社会から言われているが、ローソンとしてはお客さまの日常生活に入り込んでいくことを成長戦略としてきた。そのチャレンジを続ける中で、ローソンの商品を日常的に使っていただける機会が増えているのではないか」と手ごたえを示す。

 その結果、中期経営ビジョンの定量目標である「EPS(1株あたり当期純利益)500円以上、ROE(自己資本利益率)15%以上」は24年2月期に2期前倒しで達成し、25年2月期もそれをさらに上回った。定性目標としていた日本版顧客満足度指数(JCSI)調査におけるCVS業界「レコメンドNo.1」も、25年2月に獲得。

 これにより、定量・定性ともに掲げていた目標を達成した。「ようやくお客さまからナンバーワンをいただくことができた」と竹増社長は喜びを見せた。

経営体制の変化で、デジタル技術導入加速

 ローソンにとって、25年2月期は事業環境がとくに大きく変化した1年だった。24年9月、ローソンは三菱商事とKDDIが50%ずつ出資する共同経営体制に移行し、7月24日に上場廃止となった。KDDIが経営に参画するにあたり、社内でAIなどのデジタル技術導入に関するアイデアを募ったところ、1000以上の案が集まったという。

 そこで、そのアイデアを

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