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アレンザHD 26年2期経営方針、物流再構築とPB強化を継続

アレンザホールディングス(福島県/和賀登盛作社長:以下、アレンザHD)は、2026年2月期に「経営基盤の改革&強化」をスローガンに掲げる。具体的には、物流再構築、プライベートブランド(PB)強化、プロ事業、ペット事業の4つを軸に、地域ナンバーワンをめざす。

グループでシナジーを創出

 アレンザHDの今期の重点施策は物流再構築、PB開発、プロ事業、ペット事業の4つである。

 1つ目の物流戦略は、物流コスト上昇への対策として、全国規模の物流網再編に着手する。グループ企業のバローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長)およびバローHDが所属する「新日本スーパーマーケット同盟」との協業で共同配送網を構築し、トラック積載率を高め、効率化を図る。店舗配送頻度の増加、帰り便での集荷、予約システム活用による待機時間削減、パレット導入など具体策で物流コスト低減と安定化をめざす。

 2つ目のPB強化は、商品力と収益力向上のため、グループ横断でPB開発を推進する。中核会社アレンザ・ジャパン(福島県/市村正彦社長)が顧客起点の商品開発を担い、PB比率20%、SKU数約1万8000点を目標にオリジナル商品の拡充を図る。高粗利の商品拡大で利益率改善と差別化をねらう。バローHDのPB商品との連携や共同開発による調達コスト低減にも取り組む。

今期はプロショップを2店舗新規出店する予定だ

 そして3つ目はプロショップ事業の強化だ。今期はプロショップを2店舗新設し、既存店にも木材センターやリフォーム工房などのプロ向け売場を設置していく。さらにリフォームサービスセンターの開設や、飲食店・農家向け商材の拡充により業務需要への対応を強化する。

 最後に4つ目がペット事業の拡大である。 ペット専門店事業をグループの成長エンジンと位置付け、拡大策を展開する。「アミーゴ」「ペットフォレスト」「JOKER」を統合し、国内最大級のペットチェーンの構築をめざす。

 2026年2月期は関東・関西・中部を中心に年間10~12店舗の新規出店を計画する。30年にはグループ売上高500億円規模をめざす長期ビジョン「チャレンジ500」を掲げ、品揃えとサービスを強化しペット市場でトップシェアをねらう。

地域一番で勝ち残る

 次に、各事業会社の重点施策を見ていく。

 ダイユーエイト(福島県/栁沼忠弘社長)は、地域密着とローコスト経営でグループの収益基盤を支える。創立50周年を迎える今年、記念セールなどで客数増を図りつつ、ローコストオペレーションの追求と収益力強化に注力する。8月にはプロ向け専門店「エイトプロ」を新規出店する計画。HCは既存店改装で売れ筋拡大やPB拡販、一括仕入れによる原価低減を進める。さらにリフォームサービスの標準化やEC事業強化にも取り組む。

 タイム(岡山県/吉原重治社長)は同社にしかできない独自領域の強化に取り組む。とくに園芸分野では、自社農園でタイムでしか買えない品種を栽培し、店内にミニ農園や花壇を設置する改装で差別化を図る。花のイベント開催やSNS活用、宅配・出張サービスの整備、地域企業との共同企画など地域密着策を徹底し、「改革の成果を実らせる年」にする方針だ。

 ホームセンターバロー(岐阜県/和賀登盛作社長)は、他業態融合の新業態開発に挑戦する。旗艦店の「ホームセンターバロー稲沢平和店」(愛知県稲沢市)ではHCに食品スーパーを併設し、園芸農園やペットイベントまで含めた「一日楽しめるお店づくり」を試みている。店内に木材加工センターや介護用品コーナー、業務用資材のパッケージセンターなどを設け、一般客からプロまで幅広く取り込む。

 そのほか、アレンザHDではDX(デジタルトランスフォーメーション)も重視している。累計1500万名の会員基盤を生かし、ID–POSデータに基づくメーカー連携販促やSNS・YouTubeを活用したデジタルマーケティングを展開。店舗購買と連動した施策で成果を挙げている。

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